ハードロックボーカリスト・SHAL(シャル)さん、子宮頸がん闘病の経緯

ハードロックバンド「THE UNCROWNED」の女性ボーカリスト・SHAL(シャル)さんは、2022年8月5日、がん闘病の末、この世を去りました。

この記事では、SHALさんのプロフィール、SHALさんのがん闘病の経緯、そして、SHALさんが闘病した子宮頸がんについて紹介します。

子宮頸がん闘病したSHAL(シャル)さんとは?

まずは、SHALさんのプロフィール、そして、SHALさんのこれまでの音楽活動について紹介します。

SHAL(シャル)さんプロフィール

画像:THE UNCROWNED 公式HPより

●生年月日:1月28日 ※年齢は非公表。
●出身地:栃木県
●身長:172cm

SHALさんが在籍していたバンド「THE UNCROWNED」とは?

SHALさん率いるハードロックバンド「THE UNCROWNED」は、2016年、Takeshiさん(Gt)と、その実弟・Naoki(Ba)とSHALさん(Vo)の3名によって結成されました。

2016年12月には、デビューアルバム「REVIVE」をリリースし、ハードロック/ヘビーメタル専門誌BURRN!のブライテスト・ホープ部門に見事ノミネートされました。

同紙の編集部・藤木昌生氏からも“2016年度のNo.1アルバム”と評されるなど、ヘビーメタルファンからの高い注目を集めました。

そして、バンドのフロントマンであるSHALさんは、その可愛らしいルックスとは裏腹に力強く伸びのある歌声とのギャップを兼ね備え、同バンドの魅力の1つでもありした。

THE UNCROWNED 公式ホームページより

SHAL(シャル)さん、子宮頸がん闘病の経緯

SHALさんは、生前、自身の闘病の状況をSNSを通じて積極的に発信していました。

その前向きに病気と闘う姿に、多くの人たちが心を動かされ、SHALさんの闘病記を見てからSHALさんの音楽活動のファンになったという方もいます。

SHALさんの闘病経緯を、ご本人のSNSから発信された情報をもとにまとめました。

子宮頸がんの発覚

2020年7月13日、SHALさんはtwitterで癌(がん)の宣告を受けたことを公表しました。

その週から入院生活が始まり、SHALさんの闘病が本格的に始まります。

ちなみに、SHALさんは癌の公表とともに、闘病のために長かった髪を切って“ヘアドネーション”による寄付活動を行うことも表明しました。

ヘアドネーションとは、病気や闘病によって毛髪を失ってしまった人のために、自分の毛髪を寄付する社会貢献活動の1つです。

SHALさんは、ヘアドネーションの活動をより多くの人に認知してもらうために、その投稿をtwitterの固定投稿に設定するなど、SHALさんの人間としての“強さ”や“優しさ”が伝わります。

手術、そして化学療法へ

SHALさんは、癌が発覚した2020年7月に手術を終え、抗がん剤治療を開始。

その後は、放射線治療も開始し、SNSでSHALさんの笑顔の投稿を見るたびに、ファンにとっては順調に治療が進んでいるように思えていました。

しかし、癌が転移するなど、その経過は順調なものではありませんでした。

そして…

新たな癌、そして子宮頸がんの再発…

2021年6月、SHALさんの首に癌が見つかります。

首の癌は、子宮頸がんが転移したものではなく、新たな癌でした。

7月には手術による治療を行いましたが、その後、子宮頸がんの再発も発覚しました。

SHALさんは、再び抗がん剤治療を開始。

また、この再発を機に、SHALさんはウェブサイト・noteに、闘病の経過か心境をつづるようになりました。

抗がん剤をストップして痛みだけを取り除く治療に切り替えることもできる。と言われました。
もしその道を選ぶことになったら、生きる時間は短くなってしまうけれど、治療から解放されて余生を自分の思うように生きていけるのかもしれない。
だけど私はそれは嫌だ。
生きたい。ずっと。

SHALさん note「おはようセカイ!」投稿より

 

ユーモア溢れるタイトルと笑顔の写真が多く添えられた記事は、SHALさんが苦悩しながらも明るく前向きに病と闘う姿が克明に記され、この世を去る約1年間までの間に22もの記事がアップされています。

 

余命宣告

2022年2月10日、SHALさんは余命宣告を受けたことをtwitterで公表。

後日、インタビューメディアでは、「正直きつかった」と明かしているものの、前向きに強く生きていくことを宣言。

その後も、SHALさんさんは、笑顔の画像が添えられた日々の発信し続けました。

 

しかし、さらに、6月26日には「命の時間」と題されたnote記事を更新。

“ちょっとショッキングな内容があるかもしれません”と冒頭に前置きがされたその記事では、SHALさんの余命が“あと半年”と宣告を受けたことを公表しました。

記事内では、医師やお母さんのやりとり、そして、最後には「死なない!」というSHALさんの決意の気持ちがつづられていました。

 

新曲リリース発表

2022年7月15日、SHALさんが在籍しているバンドTHE UNCROWNEDは、同年9月21日に2ndアルバム「WITNESS」をリリースすることを発表しました。

「自分の声をここに残せたこと。皆さんの支えがあって完成した宝です」とコメントしたSHALさん。

 

アーティスト写真からは決して重い病気と闘っているような様子を感じさせないそのSHALさんの美しい姿は、ファンにとっても感慨深く喜ばしいニュースとなりました。

しかし…。

最後のSNS投稿

SHALさんは、TwitterやnoteなどのSNSを通じて、積極的に闘病中の生活を発信してきました。

しかし、noteは2022年7月31日、Twitterは8月1日を最後に、ご本人による更新は途絶えました。

「ミライはあかるい」というタイトルで投稿されたnoteでは、ベッドで横になりながら記事を書いていることを明かしながらも、「生きる、必ず」、「負けるもんか!!!」と

twitterでは、過去に撮影した弾けるような明るい笑顔の写真が投稿され、2022年9月末時点で“いいね”の数が1万を超えるほどまでに大きな反響となっています。

最後の投稿となってしまったSNS発信も、SHALさんのメッセージは前向きでとても力強いものでした。

 

SHAL(シャル)さん、逝去

2022年8月5日、SHALさんはこの世を去りました。

SHALさんのお兄さんによると、SHALさんは8月3日に自宅から救急搬送され、その後、病院で息を引き取ったことが明かされています。

8月17日に、お兄さんがSHALさんのアカウントでメッセージを更新し、SHALさんの逝去を報告しました。

 

SHAL(シャル)さんが闘病した子宮頸がんとは?

SHALさんが闘病した「子宮頸がん」は、子宮がんの一種で女性特有の病気です。

SHALさんも生前「ライブ会場では、子宮頸がんの啓発キャンペーンもやりたいです。若い世代の女性たちにちゃんと知っていてほしい。」と明かしていました。

この子宮頸がん、最近は20代~30代の罹患者が増え、30代後半がもっとも罹患率の高い層となっています。

国内では、毎年、約1万人もの女性が新たに子宮頸がんを発症し、約3,000人がこの病気によって亡くなっています。

以下は、がん研究の権威・国立がん研究センターホームページ(https://ganjoho.jp/)からの参考・引用です。

1)子宮頸がんとは?

婦人科のがんで最も多い子宮がんには、「子宮頸がん」と「子宮体がん」があります。

子宮体がんは、「子宮内膜がん」ともよばれ、胎児を育てる子宮体部の内側にある子宮内膜から発生します。

一方、子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部とよばれる部分から発生します。

子宮の入り口付近に発生することが多いので、普通の婦人科の診察で観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。

また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよいがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要と言えます。

 

2)子宮頸がんの発生要因

子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が関連しています。

HPVは、性交渉で感染することが知られているウイルスで、子宮頸がんの患者さんの90%以上からHPVが検出されることが知られています。

HPV感染そのものは稀(まれ)ではなく、感染しても、多くの場合、症状のないうちにHPVが排除されると考えられています。

しかし、HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。

また、喫煙も、子宮頸がんの危険因子であることがわかっています。

HPVには複数の型がありますが、最近、一部の型のHPV感染を予防できるワクチンが使用可能になっています。

たとえ、ワクチン接種を受けた場合であっても、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。

3)子宮頸がんの症状

子宮頸がんは、異形成(いけいせい)という前がん状態を経てがん化することが知られており、がん細胞に進行する前に、正常でない細胞(異型細胞というがん細胞になる前の細胞)の状態を細胞診という検査で見つけることができます。

つまり、無症状の時から婦人科の診察や集団検診などで早めに発見することが可能です。

初期の子宮頸がんは、普通は全く症状がありません。

特に症状がなくても、20歳を過ぎたら、2年に1回子宮がんの検診を受けることが勧められています。

月経中でないときや性行為の際に出血したり、普段と違うおりものが増える、月経血の量が増えたり月経期間が長引くなど気に掛かる症状があるときは、ためらわずに早めに受診することで早期発見につながります。

早期に発見することができれば、子宮頸がんは比較的予後のよいがんです。

出典・引用:国立がん研究センターがん情報サービス

 

参考リンク:子宮頸がん闘病した芸能人・有名人たち

SHALさん以外にも、子宮頸がんを経験した芸能人や有名人の方がいます。

大竹しのぶ

高橋メアリージュン

渡瀬マキ(LINDBERG)

坂井泉水(ZARD)

森昌子

古村比呂

尾崎亜衣

原 千晶

夏目亜季(政治家アイドル/N国党/荒川区議会議員)

堀越のり

 

子宮頸がん闘病した芸能人・有名人 一覧まとめ