豊島区が自転車保険の加入義務化…保険料は?罰則は?

 

東京都豊島区は、2019年10月1日(火)から、自転車利用者に対して自転車保険への加入を義務化することを発表しました。

豊島区における自転車保険の加入義務化は、東京都内の自治体では、初めての試み。

東京都豊島区と言えば「池袋」などがある場所で、今年2019年4月には、87才の高齢者が、自転車に乗っていた母子をはね10人以上の死傷者を出した事故があった場所でもあります。

しかし、自転車に乗っている際の事故への備えが必要なのは理解できるかもしれませんが、「自転車保険」は、自動車保険や火災保険のような保険ほど一般的な保険種類ではありません。

「なんで自転車保険に加入しなければいけないの?」
「豊島区に住んでるけど、自転車保険に入らなかったらどうなるの?」
「自転車保険って、そもそもどんな保険?家計への負担は?」

…加入の義務化に対して、このような疑問を抱く方も多いはずです。

今回は、豊島区在住の本記事ライターが、このような基本的な疑問について、わかりやすく説明していきたいと思います。

【この記事のライター】

●名前:うっちー(webライター)
●東京都在住の35才。
●経歴:国内大手保険会社で、これまで生命保険営業・損害保険金支払・自動車事故対応を担当。
現在も、現役で保険業界で働くwebライターとして、保険の不安や悩みを解決するための執筆活動をしています。

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豊島区が自転車保険の加入義務化…なぜ?

 

豊島区が自転車保険の加入を義務付けた目的は、「事故を起こした際の被害者救済と加害者の経済的負担軽減を図るため」です。

近年、自転車と歩行者との接触事故が多発する中で、大きな問題となっている点は、加害者側(自転車に乗っている側)が高額な賠償金額を支払うことができず、賠償を受けられない被害者とともに共倒れしてしまうというケースが増えてるからです。

 

もっともメジャーで具体的な事例としては、2013年、自転車に乗っていた小学生の子供が歩行者と接触して、歩行者に意識不明の重傷を負わせてしまい、その親御さんに1億円近い数千万円の高額賠償の責任命令が下る…という裁判例もありました。

このような事例は、決して珍しいケースではありません。

やはり、まだ幼い年齢の学生が、数千万円~1億円近い賠償事故を起こす事故が多発しているのです。

当然ながら、普通、自転車保険などのような保険に加入していなければ、数千万円という金額は普通支払うことができません。

 

このような背景もあり、2017年頃から埼玉県・京都府・金沢市をはじめとして、その後も条例によって自転車保険の加入が義務化された地域が増えています。

豊島区で加入義務化の「自転車保険」とは?

 

そもそも「自転車保険」とは、自転車に乗っていた際、歩行者と接触事故を起こしてケガ等をさせた場合に発生する「相手歩行者の治療費」などを賠償したり、自転車を運転していた「自分自身の治療費」を補償するための保険です。

また、接触した相手が歩行者ではなく、自動車だった場合も、自転車と自動車との間に責任割合が生じるような事故であれば、この自転車保険で相手の自動車の修理費を支払うことができます。

 

ただし、相手のケガの治療費も、相手の自動車の修理費も、必ずしも全額支払える訳ではありません。

あくまで責任割合に基づいての判断となるのですが、自転車保険は、この責任割合などの交渉を保険会社が間に入って対応してくれるサービスも付いています。

 

ここまでの話を整理すると、自転車保険の主な補償内容は、以下の通りです。

▶自転車保険の主な補償内容

①相手への賠償
②自分のケガ
③相手との交渉サービス

 

また、”基本的”には、自分の自転車を修理するような補償は付いていませんので、これも事前に知っておきたい知識です。

“基本的”というのは、保険会社によって、また自転車保険の補償プランによっても、サービスの内容が少しずつことなることを意味します。

少しマニアックな自転車保険になると、自転車のレッカーサービスなどを提供している保険会社などもあるようです。

しかし、その分、保険料なども高くなるので、自転車保険は、あくまで「賠償」のための保険と割り切りましょう。

豊島区で加入義務化の「自転車保険」、どこで加入する?

では、自転車保険にいざ加入しようと思った場合、どうすればいいでしょうか?

一般的な加入方法の選択肢としては、
(1)インターネット(スマホ)で加入する
(2)現在加入している保険屋さんに相談して、オプションで付けもらう。
(3)保険ショップで加入する
…といった方法があります。

自転車保険の保険料の相場は、だいたい月に300~500円前後です。

保険料も安く気軽に加入できますし、保険会社によって大きく補償内容が変わる訳ではありませんので、スマホなどでサクッと加入してしまうことをオススメします。

特に、LINEほけんの自転車保険は、毎月100円から加入することができるのでオススメです。

とりあえず20代の学生・社会人は、LINEほけんの自転車保険に入っておくべし!

豊島区で加入義務化の「自転車保険」、加入しなくても済む裏ワザがある!?

各地方自治体での自転車保険の加入義務化の拡大に伴い、自転車保険に加入する方も徐々に増えていますが、実は、自転車保険に加入しなくても済む裏ワザもあります。

その裏ワザとは、「個人賠償責任保険」という保険に加入していれば、自転車保険とほぼ同じような補償を受けられるため、わざわざ自転車保険に入る必要はない…というものです。(裏ワザと言うと少し大げさですが)

「個人賠償責任保険」は、「自動車保険」や「火災保険」や「傷害保険」などに特約として付けられるものなので、自分自身が加入していなくてもご家族の方がすでに加入している可能性があるのです。

詳しくは、「加入義務化でも自転車保険は必要ない!?保険料節約の裏ワザ!」の記事で説明していますので、少しでも保険料を節約したい!という方は、ぜひご一読を。

加入義務化でも自転車保険は必要ない!?保険料節約の裏ワザ!

豊島区で加入義務化の「自転車保険」、加入しないと罰則は?

自転車保険の必要性と補償内容についてはご理解いただけたことと思いますが、では、もし豊島区で自転車を運転する方が、自転車保険に加入していない場合はどうなるのでしょうか?

加入していないと発覚した場合、罰則などはあるのでしょうか?

結論から言うと、現時点では、罰則はありません。

豊島区は、「保険加入は義務化だが、未加入でも罰則はない」と、区の公式ページでも記載しています(※2019年9月現在の情報です)。

参考:豊島区「自転車損害保険等への加入が必要になります」

豊島区で加入義務化の「自転車保険」、結局、どうすればいい?

今回は、豊島区における自転車保険の加入義務化にあたり、その背景や自転車保険の役割について説明しました。

現時点では、自転車保険に加入しなくても罰則がない…ということから、まだ加入しなくてもいいのかな?と思う方もいるかもしれません。

しかし、普段から自転車を利用される方がいるのであれば、自転車保険には加入することをオススメします。

特に、お子さんが自転車に乗っているという方にとっては、いつ自分の家族が加害者になるかも分からない…といった不安を、安い保険料で取り除くことができます。

 

また、前述の通り、火災保険や自動車保険のオプションとして、すでに「個人賠償責任保険」に加入していれば、自転車保険にあらたに加入する必要はありません。

火災保険や自動車保険などに加入している方は、ぜひ今加入している保険の内容をチェックしてみましょう。

「個人賠償責任保険」に加入しているのに、新たに自転車保険に加入してしまってムダに保険料を払ってしまった!…ということは避けたいですね。

 

※ちなみに、本記事作成者で、豊島区在住の私は、会社で加入している傷害保険(ケガの保険)のオプションとして、個人賠償責任保険を付けているので、自転車保険には加入していません。

【この記事のライター】

●名前:うっちー(webライター)
●東京都在住の35才。
●経歴:国内大手保険会社で、これまで生命保険営業・損害保険金支払・自動車事故対応を担当。
現在も、現役で保険業界で働くwebライターとして、保険の不安や悩みを解決するための執筆活動をしています。