男はつらいよ・御前様役の笠智衆さん、膀胱がん闘病も…
明治時代生まれの俳優・笠智衆(りゅう ちしゅう)さんは、1993年、88歳のときに膀胱がん闘病の末、この世を去りました。
笠智衆さんと言えば、『男はつらいよ』シリーズで、渥美清さん演じる主人公・車寅次郎の地元、柴又帝釈天の住職・「御前(ごぜん)様」役を演じたことで有名です。
昨年2019年12月には、23年ぶりのシリーズ最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が公開され、再び過去の作品、そして登場人物を演じた役者さんにも注目が集まっていますが、笠智衆さんもそのひとり。
笠智衆さんは、1993年にこの世を去ってしまいましたが、最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』では、過去作品の映像を活用した回想シーンで登場します。
ちなみに、1996年に渥美清さんが亡くなって以来、お団子屋「とらや」を営む三代目おいちゃん役・下條正巳さん、おばちゃん役・三崎千恵子さん、印刷会社のタコ社長役・太宰久雄など、主要な登場人物たちがこの世を去りましたが、笠智衆さんと同様に、『男はつらいよ お帰り 寅さん』では回想シーンでたびたび登場し、その懐かしさに涙を流す人も多いようです。
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今回は、笠智衆さんの膀胱がん闘病の経緯について紹介します。
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目次
膀胱がん闘病した笠智衆さんのプロフィール
●生年月日:1904年5月13日
●出身地:熊本県玉名郡玉水村(現・玉名市)
●学歴:東洋大学文学部 中退。
●受賞歴:
・1967(昭和42)年、紫綬褒章受章
・1975(昭和50)年、勲四等旭日小綬章受章
・1988(昭和63)年、旧天水町名誉町民
・2015(平成27)年、玉名市名誉市民
膀胱がん闘病した笠智衆さんの経歴
“日本のお父さん”、“日本のおじいちゃん”と呼ばれ、昭和を代表する国民的俳優として活躍した笠智衆さんですが、その経歴は意外なものでした。
笠智衆さんは、明治時代の1904年、熊本県のお寺の子として生まれます。東洋大学文学部に進学をしましたが、俳優を志し中退。実家の住職は継がずに、松竹映画の撮影所の募集に無事合格したことをきっかけに、本格的に俳優の道へと進みました。
『男はつらいよ』の御前様役は、笠智衆さんにとっては、とても運命的な役柄だったのかもしれないですね!
しかし、俳優としての人生をスタートさせた笠智衆さんでしたが、なんと10年以上はエキストラなどの端役でしか出演できずにいたそうです。
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長い下積み時代を過ごしてきた笠智衆さんが、ブレイクするきっかけとなったのは、日本の巨匠映画監督・小津安二郎監督との出会いでした。笠智衆さんは、1928年(昭和3年)、小津安二郎監督の『若人の夢』に端役として出演して以来、小津監督作品に欠かせない存在となっていったのです。
そして、1953年、小津安二郎監督の最高傑作として世界的な評価も獲得した『東京物語』で、笠智衆さんは主演を務めブレイクを果たします。笠智衆さんが、49歳のときでした。
その後も、小津作品の常連となり、小津安二郎監督の遺作となった『秋刀魚の味』(1962年)でも主演を務めるなど、日本のお父さん像・おじいちゃん像を演じる役者として国民的な人気を獲得していきました。
笠智衆さんの膀胱がん闘病の経緯
笠智衆さんは、1993年にこの世を去るその数年前から膀胱がんを患っていたといいます。
また、笠智衆さんは愛妻家で、生前「わしは女房のいうことを聞いていれば間違いないんじゃ」と言っていたそうですが、奥様に先立たれてからは大きなショックとストレスを抱えていたようです。
膀胱がんを発症し、医師から勧められた手術も「わしは、いい」と拒絶し、まるで奥様の後を追うように静かに亡くなられたといいます。
そして、笠智衆さんは、1993年3月16日、88歳でこの世を去りました。
笠智衆さんの葬儀には、『男はつらいよ』で共演した渥美清さんも参列したそうです。
笠智衆さんの亡くなる3か月前に公開した『男はつらいよ 寅次郎の青春』(シリーズ第45作)が、彼の遺作となりました。
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尚、笠智衆さんの名俳優ぶりは、1993年に笠さんが亡くなった後も健在で、2000年の『キネマ旬報』において“20世紀映画スター・日本編”の男性俳優部門にも選出されるなど、今でも心に残る名俳優として、その存在の大きさをうかがうことができます。
笠智衆さんが闘病した「膀胱がん」とは?
それでは、笠智衆さんが闘病した「膀胱がん」とは、どんな病気なのでしょうか?
膀胱がん闘病した芸能人・有名人
膀胱がん闘病した芸能人・有名人たちには、笠智衆さんだけでなく、アナウンサーの小倉智昭さんや元プロボクサーでタレントの竹原慎二さんなどがいます。
笠智衆さんたちが闘病した「膀胱がん」とは?
以下は、がん研究の権威・国立がん研究センターホームページ(https://ganjoho.jp/)からの参考・引用です。
1.そもそも「膀胱」って?
そもそも膀胱は、骨盤内にある臓器です。
腎臓でつくられた尿が腎盂(じんう)、尿管を経由して運ばれた後、一時的に貯留する役割を果たしています。
そして、尿が漏れ出ないよう一時的にためる働き(蓄尿機能)と、ある程度の尿がたまると尿意を感じ尿を排出する働き(排尿機能)があります。
2.「膀胱がん」とは?
膀胱がんは、尿路上皮が、がん化することによって引き起こされます。
日本における膀胱がんの罹患率(膀胱がんにかかる割合)は、10万人あたり16.1人(2012年全国推計値)。
膀胱がんの罹患数は、推定で2万1,300人(男性:16,300人、女性:5,000人)と報告されています。(2015年)
男女とも60歳代から膀胱がんになるリスクが高くなり、特に男性は、女性の4倍にもなります。
3.「膀胱がん」の症状は?
膀胱がんの一般的な症状は、赤色や茶色の尿、つまり血尿が出ることです。
他にも、頻尿、排尿時痛、下腹部の痛みなどがあることもあり、これらの症状は膀胱炎とも非常に似ています。
さらに、膀胱がんが広がり尿管口を閉塞するようになると、尿の流れが妨げられ尿管や腎盂が拡張し、背中の鈍痛(背部痛)を感じることもあります。
いずれにしても、症状があればすぐに医療機関で受診を行い、早期に治療する必要があります。
4.「膀胱がん」の原因は?
膀胱がんになる原因は様々あるとされていますが、確立されたリスク要因の1つは、「喫煙」と言われています。
男性の50%以上、女性では約30%の膀胱がんが、喫煙のために発生すると報告されています。
他にも、危険物質にさらされる職業やフェナセチン含有鎮痛剤、シクロフォスファミド、骨盤内臓器に対する放射線治療の際の膀胱への被曝などが挙げられています。
参考・引用:国立がん研究センター情報サービス
参考:がんの治療費はどれくらい?
ところで、がんの治療費は、以下のような大きな金額がかかるとされています。
●乳がん:約55万円
●子宮がん:約60万円
●胃がん:約61万円
●肺がん:約65万円
●直腸がん:約71万円
●肝がん:約59万円
出典:厚生労働省 平成28年度 医療給付実態調査
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