飼い犬が他人を噛んでケガさせた!責任は?補償する保険は?

2017年、韓国の男性アイドルグループ「SUPER JUNIOR」(スーパー ジュニア)のメンバー、チェ・シウォンさんの飼い犬が女性を噛み、その後、女性が死亡してしまったという事件が発生し話題になりましたね。

このニュースを聞いて、『万が一、飼い犬が知り合いや友人等、家族以外の他人に噛み付いて、死なせてしまったら』と想像したり、『そう言えば、実は、以前、飼い犬が知り合いを噛んでケガをさせてしまったことがある』といった経験を思い出した…という方が少なからずいるのではないでしょうか?

亡くなられた方にとっては、本当に災難としか言いようがありません。飼い主の男性も大きな責任を感じている事と思いますが、ご本人にとっても複雑な心境なはず。ちなみにこのニュースを受けて、毒舌タレントの坂上忍さんは、ワイドショー番組内で“飼い主の責任”と苦言を呈していました。

では、今回のようなケースでは、本当に飼い主に責任は問えるのでしょうか?
また、倍賞責任が発生した場合、対応してもらえる保険はあるのでしょうか?

今回は、飼い犬が知り合いを噛んで死なせてしまった場合の保険についてご紹介します。

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飼い犬の噛みつき事故、飼い主の責任は発生する?

では、実際に飼い犬が、自分以外の他人を噛んでしまい負傷させてしまった場合、飼い主に責任は発生するのでしょうか?

ケースは色々と考えられますが、例えば、以下ののようなケースではどうでしょうか?

●自分の家に遊びに来た友人が、飼い犬を可愛がって撫でてたところ、犬が突然噛みついて友人がケガを負ってしまった。
●飼い犬の散歩中、突然、歩行者の足を噛んでケガをさせてしまった。
●飼い犬の散歩中、別の第三者の散歩中だった飼い犬に噛みついてしまった。

…結論から言うと、これら全部、(多かれ少なかれ)飼い主に責任が発生してしまうんです(!)。

過去には日本でも「仕事中に犬を放し飼いにしていたところ、犬が幼児を襲って1人が死亡、もう1人が負傷。そして、飼い主は“重過失傷害罪”に問われた」というような判決もあったようです。
幼い子を死なせてしまった…ということであれば、賠償金は少なくとも数千万円といったところでしょう。

飼い主として日頃からしっかりと躾(しつけ)をしていても、万が一、このような責任を負ってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?
もしくは、何か備える方法があるのでしょうか?

飼い犬のトラブルを補償する保険とは?

飼い犬が他人に噛みついてケガをさせてしまった…。
このようなトラブルが起きてしまった場合に備え、何か事前に対策を打つことは可能でしょうか?

答えは、「Yes」。

飼い犬が他人に噛みついてケガをさせてしまった場合、相手の治療費を補償したり、解決に向け相手との示談交渉をしてくれる保険商品があるのです。

その保険とは、ズバリ「個人賠償責任保険」です。

「個人賠償責任保険」って何?

個人賠償責任保険とは、以下のような日常生活のトラブルに対応できる保険です。

●マンションで、洗濯機の排水ホースが外れてしまい、階下の部屋に水漏れ被害を与えてしまった。
●自転車に乗っている最中、歩行者にぶつかってしまい歩行者にケガをさせてしまった。
●買い物中、お店にある商品を誤って落としてしまい壊してしまった。
●スキー中、誤って他人に接触してしまい、ケガを負わせてしまった。
●小さな子どもがキャッチボール中、他人の家の窓ガラスを割ってしまった。

…このように、日常生活に生じた事故等によって法律的な賠償責任を負ってしまった場合に「金銭的な賠償」や「相手との示談交渉」を保険会社が負ってくれる…というのがこの保険の補償内容です。

そのため、「飼い犬の散歩中、通行人に噛みついてケガをさせてしまった」というケースもこの保険で対象となるのです。

犬を飼っている!という方は、ぜひこの機会に、この保険への加入を検討したり、
もしくは今加入している保険に「個人賠償責任保険」が付いているか確認をしてみましょう。

「個人賠償責任保険」は、あまり聞きなれない保険商品だと思いますので、確認作業は保険のプロに任せるのが賢明です。最近では、無料で保険診断を行ってくれるところがたくさんありますからね。

個人賠償責任保険の注意点

しかし、何でもかんでもこの「個人賠償責任保険」が“犬の噛み付き事故”を解決してくれるか…というとそういう訳ではありません。

個人賠償責任保険は、あくまでその事故のケースが“飼い主に法律的な賠償責任が発生するかどうか?”という点がポイントになります。つまり、犬が誰かに噛みついたからと言って、絶対にこの保険が対象になるということはないのです。

いくつか例を挙げましょう。

●ケース1:噛み付いたのが、飼い主自身やその家族

この保険は、その名の通り、あくまで賠償をするための保険なので、飼い主自身(もちろんその家族も飼い主)のケガは対象外となります。

でも、ご自身のケガですから、この場合は「傷害保険」なら対象になりますね。

入院や手術していれば、「医療保険」も対象です。

また、万が一亡くなれば、「生命保険」も対象となります。

●ケース2:飼い犬を散歩させてたのが、飼い主ではなく、散歩を頼まれた友人や知り合いだった時、全くの第三者に飼い犬がケガをさせてしまった場合

この場合、飼い主自身の物理的な管理からは離れた状態なので、飼い主に責任が発生するのかどうか?というところがポイントになります。

知り合いや友人に頼んだ経緯なども確認し、飼い主に法律的な賠償責任が発生しないと判断されれば、保険は対象となりません。

それにも関わらず相手から請求を受ければ、高額な治療費を泣く泣く飼い主が実費で払わなければいけないということも十分にあり得ます。

●その他個人賠償責任保険の注意点

(1)個人賠償責任保険は、あくまでオプションとして付加する保険

そもそも個人賠償責任は、「火災保険」「自動車保険」「傷害保険」「ペット保険」等の“特約として付けることができる保険”という特徴があります。そのため、この「個人賠償責任保険」だけに加入して費用を安く抑えようと思っても入ることはできないのです。

手軽に加入できる方法としては、「ペット保険」やご自身のケガを補償する「傷害保険」に特約として個人賠償責任保険を付けることでしょう。

(2)示談交渉が付いていない個人賠償責任保険もある

個人賠償責任保険でも、相手との交渉を保険会社が行う「示談交渉サービス」が付いていないものもあります。

その場合、相手とのやりとりに保険会社が間に入ってくれることはありません。ケガをさせられてしまった相手や相手の家族が感情的になり、仮に法外な金額要求をしてきても、交渉するのはあなた自身。しかし、保険会社から払ってもらえる金額は、あくまで法律の範囲以内のみ…これは厄介ですよね。

「示談交渉サービス」が付いているかいないかは、事前に補償内容を確認することで解決できます。
こちらも保険ショップなどでしっかりと確認しておきましょう。

「ペット保険」に個人賠償責任保険は必ず付いてる?

近年人気の「ペット保険」にも、個人賠償責任保険が特約として付けられる商品があります。

あくまで“特約として付けることができる保険”なので、ペット保険に加入しているからと言って漏れなくこの特約に加入しているとは限りません。

すでにペット保険に加入している人は、「個人賠償責任保険の特約が付いているか?」もしくは「特約として付けることができるか?」という点を確認しましょう。

また、もしこれからぺット保険に加入される方は、「ペットの治療費だけでなく、この個人賠償責任保険が付けられるペット保険なのか?」という点を確認する必要しましょう。

 

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