水割り片手に…赤塚不二夫さんのがん闘病経緯、タモリの感動的な弔辞とは?

マンガ家の赤塚不二夫さんは、2008年、72才の時、肺炎で亡くなりました。

赤塚さんと言えば、『ひみつのアッコちゃん』『天才バカボン』など数多くのヒット作品を世に生み出してきました。

今話題の『おそ松さん』も、もとは赤塚さんの代表作の1つである『おそ松くん』が作品の原点。

“ギャグマンガの王様”と呼ばれ、日本のマンガ界に大きな功績を残されました。

そんな赤塚さんは、亡くなる約10年前に、食道がんと診断され“手術をしないと余命2年半”と医師から告げられたそうです。

今回は、赤塚不二夫さんのがん闘病と、食道がんについて紹介いたします。

【プロフィール】
●昭和10年(1935)9月14日、旧満州国に生まれる。
●本名は赤塚藤雄。
●昭和21年(1946)、終戦後帰国。
●昭和23年(1948)、手塚治虫の『ロストワールド』に影響を受ける。
●昭和26年(1951)、中学卒業後、看板店に就職。同時に『漫画少年』に投稿を開始。
●昭和28年(1953)、上京、江戸川区小松川の化学工場で働きながら漫画修行を続ける。

赤塚不二夫公認サイトこれでいいのだ!!より引用

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 赤塚不二夫さん、食道がん闘病の経緯

●1997年
・12月 吐血し緊急入院。検査の結果、食道がんと診断される。

●1998年
・4月 順天堂大学病院に入院し、放射線治療を行う。同時に民間療法も行う。
・5月 退院。
・放射線治療は30回ほど行い、一時、腫瘍は消失。

●1999年
・11月 がんが悪化し、再入院。
・12月 手術を行う。

「手術」を断った赤塚不二夫さん

医師から“手術をしないと余命2年半”という宣告を受けた赤塚さんでしたが、赤塚さんは、手術はせず、放射線による治療を選択します。

後のインタビューで、その際の医師とのやりとりを明かします。

―“取ってしまった後は腸とつなげちゃうらしんだけど、食道を取って腸とつなげちゃったら口からウンコが出てきちゃうじゃないかって医者に言ったんだよね”―

 

…さすがギャグマンガの王様・赤塚さんらしいエピソードです。

実際には、手術を行う場合、2~3か月は入院をすることになってしまうと説明を受け、当時、仕事で多忙を極めていた赤塚さんは、“そんなに寝ている暇はない”と放射線による治療と民間療法での治療を選択したそうです。

そして、放射線治療により、腫瘍は消失したと思われましたが、翌年に再発し、最終的には手術を行うことになりました。

赤塚不二夫さんの破天荒(!?)ながん闘病

食道がんは、「アルコール」と「たばこ」がリスクを高める主な要因と言われています。

しかし、赤塚さんは、退院後、水割りを片手にインタビューを受ける(!)というなんとも破天荒な行動を起こします。

ただでさえ、がん闘病中は様々な食事が制限される中で、ましてや、手術が終わり退院した後に、食道がんの一番の敵であるお酒を飲みながらインタビューを受けるなんて…赤塚さんなら“これでいいのだ”とも言いかねませんが、これ、一般の方は絶対に真似してはいけません。

その後、赤塚さんは、毎月定期的に、アルコール依存の治療を受けるために病院に通うことになります。

赤塚不二夫さんが闘病した食道がんってどんな病気?

あらためて赤塚不二夫さんが闘病した「食道がん」について確認していきましょう。

1.食道がんとは?

食道がんは、食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生します。

食道の内面をおおっている粘膜から発生したがんは、大きくなると粘膜下層に広がり、さらにその下の筋層に入り込みます。

もっと大きくなると、食道の壁を貫いて食道の外まで広がっていきます。

食道の周囲には、気管・気管支や肺、大動脈、心臓など重要な臓器が近接しているので、がんが大きくなるとこれらの臓器に広がります。

 

また、食道の壁の中と周囲には、リンパ管や血管がたくさんあります。

そのため、がん細胞がリンパ液や血液の流れに入り込んで食道を離れ、食道とは別のところに流れ着いてそこで増え始め転移します。

リンパの流れに乗ったがん細胞が、リンパ節にたどり着いてかたまりを作ったり、食道の周りのリンパ節だけではなく腹部や首のリンパ節にも転移することがあります。

そして、血液の流れに入り込んだがん細胞は、肝臓、肺、骨などにも転移をするのです。

 

このような段階にならないよう、早期の発見と治療が大切になります。

2.食道がんにかかる率が高いのは?

一生涯の間に、食道がんになるリスクは、男性で2%、女性で0.4%。

死亡リスクは、男女ともにその半分で、男性は1%、女性0.2は%です。

食道がんになる確率、死亡率ともに男性のほうが高く、女性の5倍以上となっています。

 

また、男女ともに、40歳代後半以降に増加し始める傾向にあり、特に男性は女性に比べて急激にリスクが増加します。

3.食道がんの症状は?

食道がんは、初期の段階では自覚症状がないことが多く、健康診断や人間ドックのときに内視鏡検査などで発見されるケースが約20%と言われています。

無症状で発見された食道がんは、早期の段階であることが多く、治る確率も高くなります。

しかし、以下のような症状がある場合は、腫瘍が大きくなり進行している可能性もあります。

1.食道がしみるような感覚
2.食物がつかえるような感覚
3.体重減少
4.胸痛・背部痛
5.せき
6.声のかすれ

4.食道がんの原因は?

喫煙、飲酒、熱い飲み物や食べ物が、食道がんのリスクを高めるとされています。

特に、日本人に多い「扁平上皮がん」(へんぺいじょうひがん…体の表面や食道などの内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織から発生するがん)は、喫煙と飲酒の関連が強く、お酒を飲みながらタバコを吸うと食道がんのリスクがさらに高まることも報告されています。

また、少ないお酒の量ですぐ顔が赤くなってしまう方は、徐々に飲酒に慣れてきてその量が増えると、食道がんになるリスクは、通常の人の何10倍にも高まるという報告もあります。

 

逆に喫煙や飲酒の習慣がない人が食道がんになることは、ほとんどありません。

喫煙者は禁煙、飲酒は適量、熱い食べ物・飲み物は覚ましてから口にする…という基本的な習慣が予防になります。

また、野菜(でんぷん質のもの除く)や果物、βカロテンやビタミンCを含む食品の積極的な摂取も予防に良いとされています。

参考・引用:国立がん研究センター がん情報サービス 食道がん

赤塚不二夫さんのがん闘病後、そして…

がん闘病の後は、急性硬膜下血腫や脳内出血など様々な病気と闘いながらも様々な活動を続けた赤塚さん。

そして、2008年、72才の時に、肺炎で亡くなります。

告別式では、赤塚さんが世に送り出したタモリさんが弔辞を読み上げ、「私もあなたの数多くの作品の一つです。」と結んだ言葉が感動を呼び話題になりました。

また、後に、タモリさんが弔辞の際に持っていたのは何も書いていない白紙の紙だったことも話題となりましたね。

2015年には、赤塚不二夫生誕80周年を記念した作品『おそ松さん』が発表され、後に社会現象になるなど、赤塚さん亡き後も、その魂は現在でも受け継がれています。

 

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