渥美二郎さん、スキルス性胃がん克服から30年…現在は?再発・転移はない?
演歌歌手の渥美二郎さん(67)は、1989年、まだ37歳のときにスキルス性胃がんの診断を受けました。
渥美二郎さんと言えば、1978年にリリースした『夢追い酒』が大ヒットし、NHK紅白歌合戦にも出場経験のあるベテランの演歌歌手です。
今回は、渥美二郎さんのスキルス性胃がん闘病の経緯、そして、がんの発覚から30年以上が経過している渥美二郎さんの現在について紹介します。
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目次
スキルス性胃がん闘病した渥美二郎さんのプロフィール
●本名:渥美 敏夫
●生年月日:1952年8月15日
●出身地:東京都足立区
●血液型:AB型
スキルス性胃がん闘病した渥美二郎さんの経歴
渥美二郎さんは、高校中退後、16歳の頃から地元・北千住で、ギターを抱え酒場で歌い歩く“流し”の歌手としての活動を始めます。
そして、1975年、本名「渥美敏夫」名義でデビューをしましたが、「渥美二郎」として歌手デビューを果たしたのは1976年、24歳のとき。
師事していた遠藤実氏から「渥美二郎」と名づけられ、CBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)からリリースされた『可愛いおまえ』が“渥美二郎”としてのデビュー曲でした。
その後、1978年にリリースされた3枚目の楽曲『夢追い酒』がロングセラーの大ヒット。
翌年1979年までロングヒットは続き、日本レコード大賞ロングセラー賞など数々の賞を受賞し、1979年の「NHK紅白歌合戦初出場」にも出場を果たしました。
当時は、この『夢追い酒』のプロモーションだけで、日本を5往復もしたと言われています。
その後、1983年にリリースされた『釜山港へ帰れ』などもヒットし、渥美さんの代表曲となっています。
渥美二郎さん、スキルス性胃がん闘病の経緯
渥美二郎さんは、1989年9月、37歳のときにスキルス性胃がんの診断を受けました。
もともと胃に違和感を感じていた渥美さんは、コンサートを翌月に控え、体調管理のために受けた検査で病気が発覚したといいます。
当時、スキルス性胃がんは早期発見が難しく、5年生存率が7%未満とされている病気でした。
“ほぼ末期だった”と振り返る渥美さんでしたが、当時は、「間違いかもしれない」と他の病院でのセカンドオピニオンによる診断を受けました。
しかし、結果は同じだったといいます。
『かなり難しい手術になる。覚悟してほしい』と医師から告げられた渥美さん。
それでも渥美さんは、「とにかく元気になって歌いたい」という想いで手術に臨んだといいます。
1989年11月に手術を行い、手術では、「胃」だけでなく「脾臓(※)」をも全摘出。(※脾臓/ひぞう…免疫系における最大の臓器。リンパ球を作る場所がある。)
6時間にも及ぶ大手術となりましたが、無事に成功しました。
そして、その直後、『これで最初で最後かもしれない』という覚悟を決めていた渥美さんは“無謀”とも言えるチャレンジをします。
渥美さんは医師に想いを伝え、手術・退院の2か月後には、事前にスケジュールが決まっていたハワイでのコンサートを決行したのです。
2時間30分のステージでは、渥美さんは病気のことを忘れるほど、ステージは大成功したそうです。
歌手活動としての希望を見出した渥美さんでしたが、手術から10年近くは、大手術による後遺症に悩まされたと言います。
手術の傷口の痛み、腹痛など、日常生活には大きな支障があったそうです。
それでも、その後は、転移・再発などもなく、歌手活動に復帰。
1997年には、がん闘病克服のエピソードを綴った自伝『なみだの花』を発売し、話題を呼びました。
渥美二郎さんが闘病した「スキルス性胃がん」とは?
この「スキルス性胃がん」、過去には、雨上がり決死隊の宮迫博之さん、漫画界の神様・手塚治虫さん、音楽プロデューサー佐久間正英さんなどがこの病気と闘っています。
参考:スキルス性胃がん闘病した芸能人・有名人
●雨上がり決死隊の宮迫博之さんのスキルス胃がん闘病の経緯を調べる
●音楽プロデューサー佐久間正英さんのスキルス胃がん闘病の経緯を調べる
スキルス性胃がんとは?
ところで、渥美二郎さんさんははじめとした有名人たちも闘病した「スキルス(性)胃がん」とは、どのようなタイプのがんなのでしょう?
以下は、がん研究の権威・国立がん研究センター がん情報サービスホームページからの引用です。
「スキルス胃がん」は、胃がんの10%前後を占めており、胃がんの中で最も怖い、悪性度の高いがんとされています。
がんの進行に伴い吐き気や上腹部痛、上腹部膨満感など、さまざまな症状が出現しますが、スキルス胃がんに特有の症状はありません。
しかし、スキルス胃がんは、胃の壁の中をしみこむように浸潤し、粘膜の表面にはあまりあらわれないため、内視鏡検査でも診断が難しいこともあり、早期の発見が難しいとも言われています。
また、通常の胃がんよりも進行が早いという点や、腹膜播種(ふくまくはんしゅ)と呼ばれる広範囲に小さく転移する特徴もあるため手術による切除が難しく、治療が難しい胃がんの種類の1つとも言われています。
近年、胃がん全体の死亡率は減少していますが、スキルス胃がんの5年生存率は10~20%程度という厳しいデータもあります。
スキルス胃がんは、女性や若年者の胃がんにもみられ、有名人においては、2012年に雨上がり決死隊の宮迫博之さんがこの病気により胃の摘出手術を行いました。宮迫さんは、幸いにも早期発見により克服することができたようです。
ちなみに“スキルス”とは「硬い」という意味に由来する言葉で、その名の通り、胃の壁全体が硬くなってしまうのもこの胃がんの特徴だそうです。
(引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 胃がん)
渥美二郎さん、スキルス性胃がんを克服…現在は?
16歳の頃から歌手活動を続け、そのキャリアはすでに50年以上となった渥美二郎さん。
スキルス性胃がんの手術からすでに30年以上が経過をしていますが、転移・再発などもなく大病を克服しています。
そして、現在は、演歌歌手時代の経験を生かしたレパートリー1,000曲と、クラシックギターなど得意の楽器演奏を取り入れたコンサート活動を精力的に展開しています。