おっぱい饅頭にダンス…ユニークな乳がん検診の啓発キャンペーン

毎年10月は、”がん征圧月間”です。

“がん征圧月間”は、日本全国にネットワークを持つ「日本対がん協会」が1960年に定めたもの。

がん予防・がん検診による早期発見・早期治療の普及のための取り組みを、団体組織全体で強化する月間となっています。

 

そのため、毎年10月は、日本各地の多くの地方自治体や企業では、がんの予防・検診・治療などの普及啓発をする取り組みが盛んになることをご存知でしょうか?

しかし、それらがんの啓発キャンペーンの中には、より強く効果的な訴求を図るために、キャンペーンの方法も画期的なもの・インパクトが強いものなど、「癌」とは結び付きにくいユニークなキャンペーンがあるのです。

その特徴は、特に検診率が低い「乳がん」の啓発キャンペーンにおいて顕著で、思わず笑ってしまうようなものも…。

 

笑っちゃいけないけど、笑ってしまう…今回はそんなユニークな乳がん検診啓発キャンペーンの一部を紹介します!

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ユニークな乳がん検診啓発キャンペーンまとめ

 

ユニークな乳がん検診の啓発キャンペーン1.TilTok×ダンス

 

まず、最初に紹介するのは、横浜市とあのTikTokがコラボレーションによるプロジェクト…

その名も、「#胸キュンチェック」です!

これは、2019年、横浜市医療局とTikTokが協同で行う乳がん検診啓発のためのキャンペーンです。

 

TikTok?10代の学生が使うものでしょ!?と思ったあなた…正解です!

 

キャンペーンの狙いは下記の通り。

▶乳がんのセルフチェックや乳がん検診をテーマとしたダンス動画(= #胸キュンチェック)が、SNS動画アプリのTikTokユーザーの10代・20代の世代に拡散される。

▶ダンス動画を見た10代・20代の女の子が、”大切なお母さんにも乳がんのセルフチェックや検診の大切さを伝えなきゃ!”と思う。

▶10代・20代の女の子から乳がんのセルフチェックや検診を勧められた30代・40代のお母さんが、検診に行く

…と、シンプルに説明すると、こんな効果を狙ったものだ。

 

2019年9月19日の記者発表では、TikTokで37万人ものフォロワーを持つモデルのサラ・コールディさんが #胸キュンチェック のダンスを踊っています。

ちなみに「#胸キュンチェック」の歌詞は、こんな感じ。

♪髪はサラサラ
胸はキュンキュキュン
ネイルもとってもかわキュン

可愛さチェックも欠かせないけど
大事な人に教えて
チェック!

 

…果たして、その効果はいかに?

ユニークな乳がん検診の啓発キャンペーン2.フラミンゴ

 

北海道の帯広市は、「ピンクリボン大使」として、おびひろ動物園のフラミンゴを任命することを発表しています。

2019年9月28日には、「ピンクリボン大使」の任命式も行われる予定です。

ピンクリボン大使にフラミンゴが任命するのは初めてとして、主に動物園に来る家族連れの30代の女性をターゲットとしているそうです。

 

もともと「ピンクリボン」は、乳がん啓発活動を表す世界共通のシンボルマーク。

“乳がんで悲しむ人を一人でも減らしたい”との想いから、80年代にアメリカで活動が始まり、2000年頃から、この日本においてもその活動が盛んになってきています。

日本では、「ピンクリボン」「ピンクリボンフェスティバル」と言った団体・キャンペーンが有名ですが、ピンクにちなんで東京都都庁や東京タワーがピンク色にライトアップされるといった取り組みなども行われています。

 

帯広市は、ピンク色のフラミンゴに着想を得て、大胆にもピンクリボン大使にフラミンゴを任命。

「フラミンゴをきっかけに若い女性に広く乳がんについて知ってもらいたい」(帯広市健康推進課)とコメントしています。

 

ユニークな乳がん検診の啓発キャンペーン3.おっぱいまんじゅう

 

NPOくまがやピンクリボンの会は、2019年10月1日に開催される「第10回ピンクリボンデーinくまがや記念大会」で、特製「おっぱいまんじゅう」を販売します。

このイベントは、毎年、ピンクリボン活動の一環として、妻沼聖天山の「平和の塔」と「貴惣門」をピンク色にライトアップするというものです。

その点灯式を記念して、今年は10月1日限定で「おっぱいまんじゅう」を販売することが発表されています。

 

この取り組みに関して、NPOくまがやピンクリボンの会によると、「乳がんのことを大勢の人に知ってもらいたい」、「乳がんについて家族と話すきっかけになれば」と地元の経済新聞にコメントをしています。

果たして、おっぱいについて話すきっかけにはなっても、乳がんについて話すきっかけになるかは…実際におっぱいまんじゅうを食べた人にしか分かりません。

ユニークな乳がん検診啓発キャンペーンの一方で、低い検診率

 

ということで、今回は、ユニークな乳がん検診啓発キャンペーンを紹介しました。

 

はたして、これらのキャンペーン、総じて、どこまで本気なのでしょうか?という声も聞こえてきそうですが、大切なのは、実際の効果です。

▶「乳がんの予防知識が、しっかりと普及したのか?」
▶「乳がんの検診率が、しっかりと上がったのか?」
▶「乳がんによる早期発見で、大切な命を守ることができているのか?」

…こういった本来の目的に効果を出すことができているのであれば良いのですが。

しかし、「話題性」「独創性」に囚われ、乳がんの啓発ではなく、地方自治体や企業のプロモーションだけに留まっているキャンペーンであれば、まったく必要はないですよね。

 

前述の通り、日本における乳がんの検診率は、他のがんに比べても特に低く、また世界と比較しても低いことが指摘されています。

データ画像:厚生労働省より

 

また、様々ながん啓発キャンペーンの結果、検診率は徐々に上がっているものの、それ以上のペースで年々乳がんで亡くなる方も増えています。

 

データ画像:ピンクリボンフェスティバル/国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」より

 

乳がん啓発のユニークなキャンペーンの隆盛は、そんな焦りの気持ちの現れなのかもしれません。

 

 

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