星野仙一さん、余命3ヶ月告知から1年半…“闘う男”が闘病した「すい臓がん」とは?
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2018年1月4日、プロ野球界の名将・星野仙一さんがすい臓がんで亡くなりました。
星野さんと言えば、プロ野球監督時代、“闘将” “燃える男”という異名を持ち、選手たちから恐れられていたほど厳しい熱血スタイルの指導が有名でした。
今回は、星野仙一さんのすい臓がんとの闘病、そして、星野さんが闘ったすい臓がんについて紹介します。
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目次
星野仙一さんのプロフィール
【プロフィール】
●1947年1月22日 – 2018年1月4日。
●出身地:岡山県児島郡福田町(現・倉敷市)。
●出身大学:明治大学。
●日本のプロ野球選手・監督、野球解説者。
●選手時代のポジションは投手。
●監督時代は、中日ドラゴンズ・阪神タイガース・東北楽天ゴールデンイーグルス監督を務めた。
●2008年には、北京オリンピック野球日本代表の監督も務めた。
●2015年より死去まで株式会社楽天野球団取締役副会長を務めた。
星野さんは、これまで監督を歴任してきた中日ドラゴンズ・阪神タイガース・東北楽天ゴールデンイーグルスでは、指揮官として3チームすべてを優勝に導いてきた名監督でもあります。
しかも、すべてのチームにおいて前年5位以下の低迷時に監督を引き受けてきたというおまけ付き。
まさに名指導者だったのです
特に、2013年、被災地の東北を拠点とする楽天イーグルスに初の優勝・日本一をもたらした時のインタビューで発した、熱いコメントを覚えている方も多いのではないでしょうか。
“東北の子供たち、全国の子供たちに、そして被災者の皆さんに、これだけ勇気を与えてくれた選手 … 褒めてやってください!”
そんな“闘う男”、星野さんですが、星野さんの突然の悲しい訃報のニュースと同時に、星野さんが、これまで世間に公表することなく、すい臓がんと闘病していたということも公表されました。
“余命3ヶ月”…星野仙一さんのすい臓がん闘病の経緯
●2016年7月 急性すい炎を発症した際、すい臓ががん発覚。
当初、関係者によると「余命90日」と診断を受けていたとの話も。
本人の意向により、病気については公表はせず。
●2017年12月 毎年のように家族でハワイで過ごす計画を立てていたが病状が悪化し、中止。
年末年始を自宅で家族と過ごす。
●2018年1月 体調が急変し、4日、永眠。
“余命3か月”宣告でも、1年間半も闘い抜いた星野さん
関係者によると、星野さんは、がんの診断を受けた時点で、「余命90日(=3か月)」と宣告されていたようです。
しかし、星野さんは、球団等に迷惑をかけまいと、持病の股関節が痛んでも「(楽天の)トレーナーに診てもらうとバレるから」と治療も受けなかったそうです。
また、星野さんは、1997年に、奥さんの扶沙子を当時51才という若さで白血病による肺出血で亡くしています。
星野さんは「女房の分まで生きる。そう約束したんや」と話していたそうです。
どこまでも“闘う男”だった星野さんの姿勢は、今でもたくさんの人に勇気と感動を与えています。
星野さんが闘病した“たちの悪いガン”=すい臓がんとは?
すい臓がんは、発見するのが困難で、見つかった時点ではかなり進行しているケースが多く、手術で切除することが難しいことが多いようです。
また、転移しやすいという特徴もあるようで、専門家からも“たちの悪いがん”と言われています。
あらためて、星野さんが闘ったすい臓がんについて学びましょう。
以下は、「がん治療.com」からの引用です。(とても分かりやすく記載されています)
1.すい臓がんとは?
すい臓にできるがんのうち90%以上は、膵管の細胞にでき、すい臓がんは通常、この膵管がんのことを指します。
すい臓は洋ナシを横にしたような形をしていますが、膵管はこの細長いすい臓を貫いて、網の目のように走る細い管です。
すい臓は、
● 食物の消化を助ける膵液をつくる(外分泌)
● インスリンやグルカゴンなど血糖値の調節に必要なホルモンを産生する(内分泌)
という2つの役割を果たしています。膵液は膵管によって運ばれ、主膵管という1本の管に集まり、肝臓から膵頭部の中に入ってくる総胆管と合流し、十二指腸乳頭部へ流れこみます。
尚、すい臓の右側のふくらんだ部分は膵頭部、左側の幅の狭いほうの端は膵尾部、真ん中は膵体部と呼ばれます。
手術するときは、がんのある位置や広がりによって、これらのどこを切除するかが決まります。
すい臓がんを起こす危険因子としては、糖尿病、慢性膵炎、喫煙などがあげられています。
これらのうち、喫煙は確立した危険因子であるといわれています。
2.すい臓がんの症状は?
すい臓がんは、早い段階では特徴的な自覚症状がありません。すい臓がんの方が受診した理由を調べてみると、
● 胃のあたりや背中が重苦しい
● 何となくおなかの調子が悪い
● 食欲がない
● 体重が減った
といった「漠然とした症状」が多いようです。
すい臓がんに関連のある症状として、「黄疸」があります。
総胆管と合流する位の付近までがんが増殖することで、胆管が詰まってしまい、胆汁が十二指腸の中に上手く流れなくなることで見られる症状です。
黄疸による体の変化としては、皮膚や白目が黄色くなる、体全体のかゆみ、尿の色が濃くなる、などが見られるようになります。
すい臓がんが進行してくると、体重の減少や、前述のようなお腹の症状(上腹部痛)なども見られるようになります。上腹部痛は、もっとも多くみられる症状です。
食事や運動、起きているかどうかに関係なく、強い背中の痛みとして現れます。
これは、膵臓の周囲にたくさん存在している、お腹の中にある神経に、すい臓がんが浸潤(がん細胞が広がること)して起こります。すい臓がんが進行するほど、痛みも強くなります。
また、食欲不振と体重減少も、すい臓がんに特徴的な症状です。
すい臓がんが進行し、十二指腸や腸管へ浸潤していくと、食事をしても十分な栄養を取ることができず(栄養不良)、徐々にやせて衰弱した状態になります(悪液質といいます)。
こうなると、消化に必要な酵素の分泌能が低下し、さらに食欲が減退してきます。
さらに糖尿病がある場合は、糖尿病が急激に悪化する、血糖コントロールが悪くなるなどの変化が見られます。
元々糖尿病ではない人でも、血糖を自分でコントロールできなくなってきます。
すい臓がんが進行してくると見られる主な症状は、がんが出来た部位によって少し違います。
● 膵頭(すいとう)部上部のがん:黄疸
● 膵頭部中央のがん:黄疸と腹痛
● 膵頭部下部のがん腹痛(黄疸は見られない)
すい臓がんは、黄疸や腹痛などの理由で受診される場合が多いのですが、すい臓がおなかの深いところに存在する臓器であり、胃や十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆のう、脾臓などの後ろに隠れているため、見つけにくいことに変わりありません。
すい臓がんを意識して検査をしないと発見しにくいのです。
どの部位も同様ですが、すい臓がんは早期発見が重要です。
とはいえ、自覚症状が少なく、進行が早く、5年生存率が非常に低いことから、消化器がんの中でも手ごわいがんの1つといえます 。
3.すい臓がんの原因
すい臓がんの発症リスクとしては、膵炎(急性膵炎、慢性膵炎ともに)、胆石症、糖尿病、遺伝、生活習慣などがあります。
すい臓の炎症を繰り返し起こす人は、すい臓の細胞自体ががん化しやすくなりますので、注意が必要です。
逆にすい臓がんがあるがために、膵炎を繰り返す場合もあります。
糖尿病がある人は、すい臓がんのリスクが、健康な人よりも高くなると言われています。
実際に2013年頃に公表された調査結果では、糖尿病の人がすい臓がんになるリスクは、健康な人の1.85倍という報告がなされています。
ただし、現在ではさらに研究が進んではいるものの、明らかな因果関係は分かっていません。
糖尿病の中でも「2型糖尿病」の人の方が、すい臓がんになりやすいと言われており、特に2型糖尿病の発症リスクである、暴飲暴食、肉食傾向、肥満、喫煙などの生活習慣が、関係すると考えられています。
例えば、これまでに過食や多飲、ストレス、喫煙などの習慣が無いのに、健診などで血糖値の異常を指摘された場合は、すい臓がんが隠れている可能性があります。
場合によっては腹部の超音波検査、大腸内視鏡検査など、精密検査が必要となることがありますので、血糖値の結果に納得がいかない場合は、消化器内科や消化器外科などの専門医に相談してみると良いでしょう。
元々糖尿病がある人は、食事療法や運動療法、薬物療法のほか、禁煙、節酒などにより、血糖値を良好にコントロールすることが、すい臓がんの予防にもつながるといわれています。
引用:がん治療.com
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参考)がん闘病したプロ野球選手まとめ
星野さんだけでなく、プロ野球選手には、これまでがん闘病を経験された方が多くいらっしゃいます。
同じく、昨年2018年に亡くなられた衣笠祥男さんも、その1人です。
また、現在は解説者として有名な大島康徳さんは、最も進行した状態を表す“ステージ4”の宣告を受けながらも、積極的にブログを更新したりプロ野球の解説も行うなど、がんと向き合い闘病生活を送っています。