横浜FマリノスOB ユ・サンチョルさんのすい臓がん闘病の経緯…現在は?

Jリーグ・横浜F・マリノスOBで元韓国代表の柳想鉄/ユ・サンチョルさん(48)が、2月23日、日産スタジアムを訪れ、自身のがん闘病を励ましてくれた古巣マリノスのサポーターへの感謝の意を示しました。

ユ・サンチョルさんと言えば、2019年11月に“ステージ4”のすい臓がんを患っていることを公表。年末12月に韓国で開催された日韓戦で日本人サポーターが『頑張れ。ユ・サンチョル!!』という横断幕を掲げると、たちまち両国のメディアでも話題となりました。

2月23日は、「明治安田生命J1リーグ 第1節 横浜F・マリノス - ガンバ大阪(得点:1-2)」の試合が開催され、ゲーム終了後、来日していたユ・サンチョルさんが、日本人サポーターへの感謝を伝えました。

今回は、ユ・サンチョルさんのすい臓がん闘病の経緯、そして、気になるユ・サンチョルさんの現在の容態についても紹介します。

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すい臓がん闘病中のユ・サンチョルさんのプロフィール


●生年月日:1971年10月18日
●出身地:韓国ソウル特別市
●サイズ:184cm/78kg
●現役時代在籍:
・1994年~1998年 蔚山現代FC
・1999年~2000年 横浜F・マリノス
・2001年~2002年 柏レイソル
・2002年~2003年 蔚山現代FC
・2003年~2004年 横浜F・マリノス
・2005年 蔚山現代
●現役時代ポジション:MF/DF/FW
●獲得タイトル:1998年Kリーグ得点王
●J1リーグ通算記録:113試合44得点

すい臓がん闘病中のユ・サンチョルさんの経歴

 


ユ・サンチョルさんは、1999年、韓国Kリーグから、Jリーグ横浜F・マリノスの選手として来日。その後、柏レイソルでもプレーしました。

Jリーグ通算113試合44得点と、決定力の高さを見せつけチームに貢献し、2000年、横浜F・マリノス在籍時には、リーグ優勝も経験しました。

そのプレースタイルは、FW、DF、MF…どんなポジションでも一流のパフォーマンスを見せるオールラウンダーとして大活躍。

また、韓国代表選手としても122試合に出場し、日韓ワールドカップではベスト4に貢献しています。

現役引退後は、Kリーグの指揮官となり、2019年5月にはKリーグ・仁川ユナイテッドFCの監督に就任していました。

ユ・サンチョルさんのすい臓がん闘病の経緯


ユ・サンチョルさんは、2019年5月、低迷していた仁川ユナイテッドFCの監督に就任。

 

しかし、10月に体調不良で入院。

当時、身体に黄疸が出る異常な症状などが出ていたそうです。

 

そして、2019年11月、すい臓がんを患っていることを公表しました。

ユ・サンチョルさんのすい臓がんは、癌(がん)が最も進んだ状態を表す“ステージ4”との診断を受けていました。

サポーターには、以下のようなコメントを残し、闘病への決意を示していました。

私は闘い抜くと決心しました。
今後も並行して治療を続ける必要がありますが、チームの1部残留という目標を達成すべく、自分の任務を全うする覚悟です。
そして、選手やスタッフたちと一緒に過ごしながら、私自身もポジティブなパワーをもらいたいと思います。

ファンの皆さんとの(1部に残留するという)約束を守りたい。
監督として最善を尽くし、最後まで諦めずに頑張ります。
『やればできるんだ』というポジティブなパワーを携えて、病気に立ち向かい、打ち勝ちたいと思います。

(翻訳引用:サッカーダイジェストより)

ユ・サンチョルさんが闘病しているすい臓がんとは?

すい臓がんを公表したユ・サンチョルさん。

すい臓がんという病気は、国内では、2019年に女優・八千草薫さん、2018年にプロ野球界の名将・星野仙一さんが闘病し、この世を去っています。

それでは、そもそも「すい臓がん」とはどのような病気なのでしょうか?

 

以下は、がん研究の権威・国立がん研究センターホームページ(https://ganjoho.jp/)からの引用です。

 

膵臓(すいぞう)がんとは

膵臓にできるがんのうち90%以上は、膵管の細胞にできます。

これを膵管がんといい、膵臓がんとは、通常この膵管がんのことを指します。

このほかに、神経内分泌腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍などがあります。

 

すい臓がんの症状

膵臓は、胃の後ろの体の深部に位置していることから、がんが発生しても症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません(※図)。

膵臓がんの初期には症状は出にくく、進行してくると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感(すぐにお腹がいっぱいになる)、黄疸(おうだん)、腰や背中の痛みなどを発症します。その他、糖尿病を発症することもあります。

ただし、これらの症状は、膵臓がん以外の理由でも起こることがあり、膵臓がんであっても、症状が起こらないことがあります。

 

※図:膵臓と胃の位置関係

 

すい臓がんの統計

膵臓がんと新たに診断される人数は、男性では1年間に10万人あたり約29.1人、女性では1年間に10万人あたり約25.5人と、やや男性に多い傾向があります。

年齢別では、60歳ごろから増え、高齢になるほど多くなります1)。

 

すい臓がん発生要因

膵臓がんのリスク因子としては、慢性膵炎や糖尿病にかかっていること、血縁のある家族内に膵臓がんになった人がいること、肥満、喫煙などがあります。

 

(画像・引用:国立がん研究センターホームページ より抜粋)

ユ・サンチョルさんのすい臓がん闘病…現在は?

ユ・サンチョルさんは、2月23日の横浜F・マリノス-ガンバ大阪のゲーム後、サポーターの前に登場。

スタジアムから“ユ・サンチョル”コールの大歓声で出迎えられたユ・サンチョルさんは、この日、来日をした経緯、そして、現在の容態について以下のようにコメントしました。

今日は開幕戦ということですが、いい結果が出せず残念なところではあるのですが、本当に多くの方々が応援に来てくれて、そして、そういうのを目にすると昔の気持ちに戻ることができました。

実は、今、私の身体は良くないです。けれども、遠いところから私のことを応援してくれていることを知って、挨拶をしなければという思いでここに来て、そして、たくさんの力をもらった…そういうふうに思っています。

ACLの全州での試合をテレビで視ていたのですけれども、横断幕が目に入ってビックリしたんですよね。嬉しかったです。競技場に行きたかったのですが、そのときは体調が良くなく、そして今日ここ、私もプレーしたこの競技場に来たいという思いでここに来ることができました。

私は絶対に諦めないです。一生懸命しっかり治療して、スタジアムに戻ってきて、また皆さんとお会いしたいと思います。これからも本当に頑張ります。そして皆さんにもしっかりと健康でいて欲しいと思います。

ありがとうございます。

 

容態は「良くない」…という告白に、多くのサポーターたちは心配を寄せながらも、ユ・サンチョルさんが会場を去るまで“ユ・サンチョル”コールは鳴りやみませんでした。