がん保険は貯蓄型?掛け捨て?とある有名俳優の悲劇…

みなさんは、「貯蓄型」のがん保険をご存知でしょうか?

「貯蓄にも保険にもなるなら、ぜひそっちのタイプのがん保険に加入したい!」
「今、加入しているがん保険を解約して、貯蓄型にしようかな?」
「保険は興味ないけど、貯蓄もしたいから、せっかくなら貯蓄型がいいかなぁ?」

…このように考える方も多くいるでしょう。

 

しかし!

貯蓄という言葉に踊らされてしまうと、あとで大きな損や後悔をしてしまう可能性があるのがこのタイプ。

もちろん、上手く活用すれば、その名の通り、保険としても活用することができ、保険料を無駄にすることなくお金を貯めることも可能です。

と言うことで、今回は「貯蓄型」のがん保険について解説いたします!

 

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保険は「掛け捨て」が基本

そもそも、がん保険は「掛け捨て」タイプの商品が一般的です。

「掛け捨て(かけすて)」とは、支払った保険料がほとんど戻ってこないタイプの保険のこと。

これは、がん保険に限らず、自動車保険、火災保険、医療保険、死亡保障保険(定期保険)等…をはじめ、あらゆる保険商品は、「掛け捨て」タイプのものが一般的です。

では、「貯蓄型」のがん保険とは、どのようなタイプの保険商品なのでしょうか?

貯蓄型のがん保険とは?シンプルに解説!

貯蓄型のがん保険について、シンプルに説明しましょう。

貯蓄型のがん保険とは、保険を解約した時に戻ってくるお金=解約返戻金(かいやくへんれいきん)があるタイプのがん保険です。

がんになった場合は、通常のがん保険と同様に、診断給付金(100万円等のまとまった金額)が支払われます。

しかし、がんにならなかった場合、満期(保険料を支払う契約期間)を過ぎれば、これまで払った保険料等とほぼ同額が戻ってくる…という仕組みになっています。

 

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貯蓄型のがん保険のメリット

貯蓄型のがん保険は、1つの契約で「保険」と「貯蓄」の両方をカバーできるのが1番の魅力ですが、そのメリットについて、もう少し掘り下げてみましょう。

1.「保険」として、いざという時の保障も充分

貯蓄ができる反面、保険の機能が不十分になってしまうかというと、決してそんなことはありません。

あくまで「がん保険」ですので、がんになった場合の保障内容や支払い条件は、普通のがん保険と基本的には同じです。

特約を付けることで、保障を充実させることも可能です。

2.支払った保険料を無駄にすることがない

「日本人の2人に1人が、がんになる」と言われるように、高齢になるにつれてがんに罹る確率が高まります。

がんになると高額な治療費がかかるため、がんに特化した「がん保険」がある訳ですが、一方で、がんにならない方も多くいます。

幸いにしてがんにならなかった場合も、当然、支払った保険料は戻ってきますので、損することはありません。

3.契約者貸付制度が利用できる

契約者貸付制度とは、解約返戻金の範囲内で、保険会社からお金の貸し付けを受けることができる制度です。

万が一お金に困った時は、別途ローンなどを利用しなくても、この保険でお金を借りることが可能です。

また、お金を借りたからといって、保障がなくなる訳ではありません。

もちろん、保険加入期間が浅い段階では、解約返戻金は少額ですので、たくさんのお金を借りることができる訳ではありません。

4.貯蓄型のがん保険のデメリット

貯蓄型のがん保険は、「保険好き」「貯蓄好き」と言われる日本人にとって、その両方を掛け合わせたとても魅力的な保険商品ですよね。

しかし、一方で加入前に必ずおさえておきたいマイナス面もあります。

1.保険料が高い!

掛け捨てタイプのがん保険と比べると、貯蓄型は、毎月支払う保険料がやや高めです。

保険料の安いネット系保険会社のがん保険と比べると、ざっくり1.5~2倍といったところでしょうか。

例えば、診断給付金(がんと診断された時の一時金)が、100万円もらえる保障内容の保険料を比べてみれば、その保険料の差は一目瞭然です。

貯蓄型(東京海上日動あんしん生命「がん保険診断R」)の保険料

・25歳女性:2,763円
・30歳女性:3,150円
・35歳女性:3,360円
・40歳女性:3,565円
・45歳女性:3,721円

掛け捨て型(ライフネット生命の「がん保険 ダブルエール」)の保険料

・25歳女性:1,270円
・30歳女性:1,437円
・35歳女性:1,612円
・40歳女性:1,798円
・45歳女性:1,960円

※2018年7月時点。2社ともに基本保障のみの保険料。

まぁ、それでも「貯蓄と思えば仕方ない」…と割り切れば、支払えない金額ではありません。

2.特約部分の保険料は、貯蓄型ではない!

これは、加入前に必ず覚えておいて欲しい知識です。

あとから“知らなかった!”と気づいた時の精神的ダメージが大きいので…。

例えば、東京海上日動あんしん生命「がん保険診断R」には、診断給付金の100万円という基本保障に加え、特約として「がん入院特約」「がん通院特約」「がん手術特約」「抗がん剤治療特約」「がん先進医療特約」などがありますが、この特約部分の保険料は、仮に保険を使わなかった場合も返って来ないのです。

がん保険は、特約を付けて保障を充実させることが一般的なので、ついついオプションを付けたくなりますが、この部分は掛け捨てとしっかり事前に把握しておくことが大切です。

3.途中で解約してしまうと大損する可能性大!

「貯蓄型」の保険の最大の落とし穴は、何と言っても、途中で解約してもお金はほとんど貯まっていない!という点です。

もう1度言います…途中で解約しても、ほとんどお金は返ってきません。

ただでさえ保険料の高い貯蓄タイプのがん保険ですから、毎月保険料を支払っていく自信のない方は加入はオススメしません。

また、保険商品は医療事情の進歩とともに、日々新しい商品が開発されています。

途中で解約ができなければ、保険の見直しなどもできず、今後より良いがん保険が発売されても加入はできません。

+α.そもそも取り扱っている保険会社が少ない

実は、貯蓄型のがん保険は、上記の例に挙げた東京海上日動あんしん生命が販売している「がん保険診断R」くらいしか商品がありません。

数多くの保険会社から様々な保険商品が販売されている競争の激しい保険業界。

そんな状況の中で、扱っている保険会社がほぼ1社という訳ですから、ハッキリ言って、“貯蓄型のがん保険は、あまり需要がない”…とも言い換えることができます。

貯蓄型のがん保険に加入した、あの有名俳優の悲劇…

戦隊ヒーローの主人公も務めた役者・阪本良介さん(58歳)は、診断給付金が200万円出るタイプの貯蓄型のがん保険に加入していました。

ちなみに阪本良介さんは、「超電子バイオマン」主人公のレッド役を演じた人気俳優さん。

☞阪本良介さんのがん闘病の経緯はコチラ

 

診断給付金200万円という手厚いがん保険に加入していた阪本さんですが、その後、家計を節約しなければいけない事情があり、その際、がん保険を解約してしまったそうですが、悲運にも、その約半年後にがんが発覚。

がん保険を解約した際の解約返戻金は、たった11万円…だったそうです。

仮に50歳の方が、貯蓄型のがん保険・東京海上日動あんしん生命「がん保険診断R」に加入した場合、毎月の保険料は、13752円(2018年7月現在。基本保障のみの金額)。

特約なども付ければ、1年間で約20万円も支払う保険です。

 

長い人生、何があるか分かりません。

今後、もっと節約しなければいけない…という状況が生まれた際、保険などは真っ先に見直すべき対象となる訳ですが、その最悪ケースがこれです。

本当にお金が必要な時に、保険にもならず、貯蓄にもなっていなかった…という恐れが十分にあるのです。

正直、がん保険に限らず「貯蓄型タイプ」と呼ばれるタイプの保険の怖いところがこれなのです。

結局、がん保険は「掛け捨て」「貯蓄」どっちがいい?

これまでの話を総合するとがん保険は「掛け捨て」と「貯蓄」のどちらが良いかと言えば、「掛け捨て」でOK…ということがご理解いただけるかと思います。

がん保険のそもそもの本質は、安い保険料で大きな保障を得られるという点です。

幸いがんにならなくても、安い保険料なら仕方ないと割り切ることも可能です。

もちろん、貯蓄型のがん保険でも、しっかりと保険料を払い続ければ、保険としても活用することができ、保険料を無駄にすることなくお金を貯めることも可能です。

つまり、「貯蓄」という言葉だけに踊らされず、しっかりと吟味して保険商品を選ぶことが大切なのです。

 

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