音楽プロデューサー・佐久間正英さんのスキルス胃がん闘病
音楽プロデューサーの佐久間正英さんは、2014年1月、スキルス胃がんにより61歳で亡くなりました。
佐久間さんはこれまで、BOØWY、GLAY、L’Arc〜en〜Ciel、JUDY AND MARY、Hysteric Blue…など、音楽プロデューサーとして数多くのビッグアーティストたちを手掛け、日本のロックシーンを牽引してきました。
亡くなる数か月前には、今をときめくアイドルグループ、乃木坂46のメンバ―生田絵梨花さんの親戚だったことも公表され、その後、生田さんと競演するなど大きな話題にもなりました。
(画像上:乃木坂46『バレッタ【CD+DVD盤】Type-A』(2013年11月発売)には、特典DVD内に佐久間正英さんと乃木坂46・生田絵梨花さんが競演した『君の名は希望』の映像が収録されている)
今回は、佐久間正英さんのスキルス胃がん闘病の経緯をご紹介します。
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佐久間正英さんのプロフィール
●生年月日:1952年2月29日
●出身地:東京都
●卒業大学:和光大学人文学部人間関係学科卒業
●1975年、ロックバンド「四人囃子(よにんばやし)」にベーシストとして加入。その後、作曲家・編曲家・セッションミュージシャン、音楽プロデューサーとして数々のプロジェクトに携わる。
●プロデューサーとして携わったアーティスト:BOØWY、GLAY、黒夢、JUDY AND MARY、JUN SKY WALKER(S)、RAZZ MA TAZZ、ZIGZO、くるり、175R、HY、Hysteric Blue、L’Arc〜en〜Ciel、UNISON SQUARE GARDEN、Psycho le Cemu、THE BLUE HEARTS、TOKIO、エレファントカシマシ、テレサ・テン、筋肉少女帯、貴水博之、渡辺美里、PIERROT、Λucifer等
佐久間正英さん、スキルス胃がん闘病の経緯
●2013年
・4月、末期のスキルス胃がんとの診断を受ける。医師から、すでに施しようがない状態であることを告げられる。
・8月、9日、自身の公式サイトで公表。14日、脳腫瘍の手術を受ける。
●2014年
・1月16日、逝去。
佐久間正英さんが闘病した「スキルス胃がん」って何?
佐久間さんが闘病した「スキルス胃がん」とは、どのようなタイプのがんなのでしょう?
「スキルス胃がん」は、胃がんの10%前後を占めており、胃がんの中で最も怖い、悪性度の高いがんとされています。
がんの進行に伴い吐き気や上腹部痛、上腹部膨満感など、さまざまな症状が出現しますが、スキルス胃がんに特有の症状はありません。
しかし、スキルス胃がんは、胃の壁の中をしみこむように浸潤し、粘膜の表面にはあまりあらわれないため、内視鏡検査でも診断が難しいこともあり、早期の発見が難しいとも言われています。
また、通常の胃がんよりも進行が早いという点や、腹膜播種(ふくまくはんしゅ)と呼ばれる広範囲に小さく転移する特徴もあるため手術による切除が難しく、治療が難しい胃がんの種類の1つとも言われています。
近年、胃がん全体の死亡率は減少していますが、スキルス胃がんの5年生存率は10~20%程度という厳しいデータもあります。
スキルス胃がんは、女性や若年者の胃がんにもみられ、有名人においては、2012年に雨上がり決死隊の宮迫博之さんがこの病気により胃の摘出手術を行いました。宮迫さんは、幸いにも早期発見により克服することができたようです。
ちなみに“スキルス”とは「硬い」という意味に由来する言葉で、その名の通り、胃の壁全体が硬くなってしまうのもこの胃がんの特徴だそうです。
“この作品が最後のレコーディングになるかもしれない”
佐久間さんは、自身の公式HPでがんを公表した際、「やりたいこと、やらなければならないこと、やりかけたこと、守りたいモノ・人、伝えたかったこと・想い…がたくさんある。それらをどうしたら良いのか、未だに皆目検討はついていない」というコメントを残していました。
佐久間さんの遺作となった楽曲『Last Days』(アルバム『SAKUMA DROPS』収録/2014年3月5日リリース)は、JUDY AND MARYのTAKUYA(ギター、ボーカル)さん、乃木坂46の生田絵梨花さん(ピアノ、コーラス)、そして佐久間の息子・佐久間音哉さん(キーボード、プログラミング)等が参加します。
スタジオにいるみんなが“この作品が最後のレコーディングになるかもしれない”という覚悟をもって臨んだ作品だったとのことですが、その1か月後、それは現実のものとなってしまいます。
―Where are my last days going? (訳:僕の最後の日々はどこへ向かって行くのだろう?)
『Last Days』のサビで繰り返されるフレーズです。
カッコよく、切なく、でもどこか温かい…これが多くの若い世代の心を掴んできた日本のロックなのだと感じずにはいられません。
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