奇跡の復活を果たすも…プロ野球選手・盛田幸妃さんのがん闘病経緯
プロ野球選手の盛田幸妃さんは、転移性悪性腺腫により、2015年、45歳という若さで亡くなりました。
現役時代、盛田幸妃選手は、横浜ベイスターズ(入団当時は、大洋ホエールズ)や近鉄バッファローズに在籍し、抑えのストッパー投手として活躍しました。
横浜時代には、あの大魔神こと佐々木主浩投手とのダブルストッパーとして活躍し、1992年には、最優秀防御率のタイトルも獲得します。
そんな盛田選手に、後にがんの原因となる脳腫瘍が発覚したのは、まだまだ現役時代の1998年、27歳の時。
今回は、盛田幸妃さんの闘病の経緯についてご紹介します。
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目次
盛田幸妃さんのプロフィール
●出身地:北海道茅部郡鹿部町
●生年月日:1969年11月21日
●身長/体重:186cm/89kg
●右投右打
●ポジション:投手
●出身高校:函館大学付属有斗高等学校
●プロ入り:1987年 ドラフト1位
●初出場:1988年5月21日
●経歴:横浜大洋ホエールズ/横浜ベイスターズ (1988年~1997年)~近鉄バファローズ/大阪近鉄バファローズ (1998年~2002年)
●タイトルなど:最優秀防御率(1992年)、カムバック賞(2001年)。
盛田幸妃さん闘病の経緯
●1998年
・5月末頃から、右足首の違和感や麻痺などが起こり次第に状態が悪化。
・8月、1軍登録抹消。検査を受け、脳に髄膜腫(※)が見つかる。
・9月、12時間に及ぶ摘出手術を受ける。その際、「スポーツ脳に腫瘍があり、普通の生活に戻れても、野球選手としては諦めなければならないかもしれない」と医師からの通告を受ける。
・手術後も、右足に麻痺が残る後遺症があったがリハビリにより現役復帰を目指す。
(※)髄膜腫(ずいまくしゅ)=髄膜は、脳をおおっているくも膜と硬膜の総称。この膜から発生する良性の腫瘍。
●1999年
・8月、二軍戦で復帰を果たす。
・シーズン最終戦、1軍のマウンドに上がり、三振を奪うなど復帰を果たす。
●2002年
・10月、大阪ドームでの最終戦を最後に、現役を引退。
●2005年
・夏、脳腫瘍が再発。
●2006年
・2月、脳腫瘍の除去手術を受ける。
●2010年
・脳腫瘍が転移し、骨腫瘍を発症。
●2013年
・脳腫瘍が再発。骨への転移と手術を繰り返すようになる。
●2015年
・10月、転移性悪性腺腫のため死去。
盛田幸妃さんが闘病した脳腫瘍って何?
盛田幸妃さんの亡くなった直接的な理由は転移性悪性腺腫となっておりますが、その原因は、脳腫瘍によって引き起こされたものと考えられています。
現役引退後も、たびたび脳腫瘍の再発と手術を繰り返していたようです。
では、脳腫瘍とはどのような病気なのか確認していきましょう。
1.脳腫瘍とは?
脳腫瘍とは、頭蓋骨の内側にある脳の部分にできる腫瘍のことです。
脳腫瘍には、大きく分けて「原発性脳腫瘍」と「転移性腫瘍」の2種類があります。
それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか?
2.原発性脳腫瘍とは?
脳や脳の周辺組織から生じた脳腫瘍で、脳腫瘍全体の82.4%が原発性脳腫瘍と言われています。
脳実質から生じる腫瘍の多くが悪性の「神経膠腫(グリオーマ)」で、脳の付属器から生じる腫瘍には「髄膜腫(ずいまくしゅ)」、「下垂体腺腫」、「神経鞘腫」などの種類があります。
脳腫瘍の発生の原因には、家族の遺伝というケースもありますが、ほとんどの場合は不明となっています。
盛田選手は、この原発性脳腫瘍の中でも良性の「髄膜腫」と闘病していました。その「髄膜腫」とはどのようなものなのでしょうか?
髄膜腫とは?
髄膜は、頭蓋骨の内側にある脳を包んでいる膜です。
髄膜は外側から硬膜、クモ膜、軟膜という3層の構造になっており、これから生じる腫瘍を髄膜腫といいます。
原発性脳腫瘍の中では、近年もっとも発生頻度の高い脳腫瘍です。
これは診断技術の進歩により、無症候性脳腫瘍と呼ばれるまったく症状を示さない脳腫瘍の診断される機会がふえている結果と考えられます。
大部分の髄膜腫は良性ですが、まれに悪性化するものもあります。
2.転移性腫瘍とは?
他の臓器で生じたがんが、血液の流れによって脳に運ばれることで転移して生じた脳腫瘍で、脳腫瘍全体の17.4%が転移によるものです。
脳に転移をする前のがんは、肺がんが半数を占め、次いで、乳がんが10%の割合と言われています。
脳腫瘍はどんな症状があるの?
脳腫瘍にもいくつか種類があることをご紹介しましたが、多くの方に共通して起こる症状が「頭蓋内圧亢進症状」(ずがいないあつこうしんしょうじょう)です。
「頭蓋内圧亢進症状」は、脳に腫瘍ができると、頭蓋骨の中が圧迫されることにより、①頭痛 ②吐き気 ③ てんかん発作などの意識障害 などの症状が引き起こされます。
これらの症状は、頭蓋骨の中の圧力は睡眠中に高くなることから、朝起きた時に強く出るとされています。
また、脳は神経の中枢ですので、脳腫瘍により運動や感覚など様々な機能に影響が出るケースもあります。
脳腫瘍による局所的な症状には、以下のようなものがあります。
● 頭頂部:感覚障害
● 前頭葉:認知症症状、尿失禁、失語(優位半球の場合)
● 視神経:視野、視力障碍
● 側頭葉:失語(優位半球)
● 下垂体:無月経、乳汁分泌、性欲低下、ホルモン過剰による症状
● 聴神経:聴力障碍
● 後頭葉:視野障害
● 小脳:失調歩行
● 脳幹:運動麻痺、眼球運動障害
参考・一部引用:がん治療.com 脳腫瘍とは
奇跡的な復活を遂げてマウンドに帰ってきた盛田幸妃さん
盛田選手は、脳腫瘍の手術から1年後の1999年、右足首の自由がきかなくなるという大きなハンディを背負いながらも懸命なリハビリによって見事に1軍に復帰を果たします。
そして、本格的な復帰となったのは、その2年後の2001年。
この年、盛田選手は34試合に登板し、近鉄バッファローズの12年ぶりのリーグ優勝に貢献します。
また、オールスターゲームにも中継ぎ投手部門でファン投票1位を獲得し、カムバック賞も受賞します。
“野球選手としては諦めなければいけないかもしれない”という医師の通告を受けながらも、オールスターゲームや日本シリーズといった華やかな舞台にまで上がった盛田投手の復活劇は、多くのファンに感動を与えました。
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参考)がん闘病したプロ野球選手まとめ
盛田選手だけでなく、プロ野球選手には、これまでがん闘病を経験された方が多くいらっしゃいます。
今年2018年に亡くなられた星野仙一さん、衣笠祥男さんも、その1人です。
また、現在は解説者として有名な大島康徳さんは、最も進行した状態を表す“ステージ4”の宣告を受けながらも、積極的にブログを更新したりプロ野球の解説も行うなど、がんと向き合い闘病生活を送っています。