保険営業マンに言われた「2年間は解約できない」はウソ!~保険を解約する時のチェックポイント6つ~
「保険料高いから解約したいんだけど、2年間は解約できないって言われたんだよね…」
世間では、保険の解約について悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。人によっては、上記のように保険の営業マンから直接“2年間は解約はできない”と説明を受けた方もいるようです。
保険は、1年や2年の間、解約することはできない…これ、絶対ありえません。
保険の解約は、いつでもできます。どんな保険商品でも、どんな保険会社でも、解約できない保険など存在してません。
では、なぜ保険の営業マンが「解約はできません」と説明するのかと言うと、契約から時間がそこまで経過していない間(最長でも2年ほど)に解約されてしまうと、保険の営業マンにペナルティが発生してしまうからです。早期に解約となった場合、その商品を販売した保険の営業マンの給料から、多かれ少なかれマイナスされてしまうのです。
“そんな身勝手な理由で、ウソの説明をしていたのか!?”
と、思うかもしれませんが、実際そうなんです。
現在は、特にコンプラインスが厳しくなっているので、そのようなウソの説明をしていたことが発覚すれば、その営業マンは何かしらの処分を食らってしまいます。
しかし、このようなケースの話は決して昔の話ではありません。保険契約者の中には、現在でも“保険はまだ解約できない”と誤った認識をしている方が多くいるかもしれません。
目次
保険の解約は、悪いこと?
そもそも保険の解約は、悪いことなのでしょうか?
いえ、全然悪いことではありません。
むしろ、保険を解約した方が良いケースもあります。
保険商品は、保障内容が半年ごとに改定されることが一般的です。
数年経てば、全く新しい商品が販売されているという可能性もあります。
最新の保険商品ほど、保障内容やオプションサービスなどが充実し、時代に合ったものにグレードアップしていることは言うまでもありません。
また、人生には、結婚、子育て、マイホーム購入等の様々なライフイベントありますが、子育てを終えたり、マイホームのローン残額が減ってきたり、お給料が増えて貯蓄額が増えてくれば、保険料を払い続けることで、貴重なお金が全部ムダになってしまう可能性もあります。
受け取れる保障金額を減らすことで毎月の保険料を抑えたり、保険の解約をして、浮いたお金を貯蓄や生活費に充てることは、必要な選択肢と言えるでしょう。
とは言うものの、保険の解約によるデメリットや注意点があるのも事実です。
今回は、保険の解約を決断する際、保険の営業マンに騙されないために、本当に注意しなければいけない確認ポイントをご紹介します。
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保険を解約する時のチェックポイント6つ
保険を解約する際、“目先のお金”のことだけを考えて解約をしてしまうと、近い将来、大きな後悔をしてしまう可能性も十分にあります。
保険解約を判断する上で、事前に把握しておかなければいけないチェックポイントをご紹介します。
1.その保障、本当に無くなっても大丈夫?
現在加入している保険は、必ず目的や理由があって加入しているはずです。
その保険は、ライフプランのシュミレーションをして、家族のことを考えて契約したものではありませんか?
あなたに万が一のことがあった場合、残された親、奥さん、お子さんは、現在の貯蓄で十分な生活が送れそうでしょうか?…というように誰かを思って保険に加入した方も多いはず。特にご結婚されている方は、解約の判断は慎重に行いましょう。
逆に、営業マンに言われるがままに契約して、正直、保障の内容をあまり把握していないという方は、解約や保障金額の減額を検討するとともに、正確な保障内容を把握しましょう。“超やばい”という保障内容になっている可能性もありますし、“スゴいピッタリな保障内容”になっている可能性もあります。
2.解約をすることで、損をしてしまう保険商品ではないか?
保険商品の中には、いわゆる“貯蓄タイプ”と呼ばれる保険があります。
貯蓄タイプの保険は、例えば、一定期間まで(例えば、60才まで)に保険を使わなければ、それ以降は、これまで支払った保険料とほぼ同額、もしくはそれ以上のお金が戻ってくる…という保障内容になっています。
しかし、貯蓄タイプの保険の大きなデメリットは、一定期間まで(例えば、60才まで)に解約してしまうと、今まで払ったお金は半分くらいしか戻ってこないのでムダになってしまう…という点です。さらに、貯蓄タイプの保険は、毎月の保険料が高いというデメリットもあります。
つまり、途中で解約してしまうことで、これまで払ってきた大きな金額をムダにしてしまうリスクもあるのです。
ちなみに、貯蓄タイプの保険には、代表的なものとして「終身保険(死亡保障)」、「外貨建保険」、「学資保険」、「個人年金保険」等があります。これらに加入している方は、特に解約の判断は慎重に行いましょう。
3.新たに別の保険に加入する際は、保険料が高くなるけど大丈夫?
現在の保険料を節約したいと思って、1度解約してしまい、再度加入する場合には注意が必要です。
保険は、年齢が上がると、支払う保険料も高くなります。最近では、保険料が加入した時点の年齢から、ずっと上がらない保険商品もメジャーですが、今後、同じような保険種類の保険に新たに加入した際には、保険料は今よりも上がります。そのことを覚悟しておきましょう。
例えば、「今はがんにならないから、とりあえずがん保険を解約して、またある程度年を取ってがんのリスクが増えたら入ればいいや」と考えていても、いざ40代、50代でがん保険に加入しようとすると、保険料は4千円や5千円と高額にになります。その可能性も十分にあることを覚悟した上で、現在契約している保険を解約する必要があります。
4.新たに別の保険に加入する際は、加入を断られる可能性もあるけど大丈夫?
保険料の節約のために、一時的な解約をして再度加入する場合、保険料が上がる以上に大きなデメリットがあります。それが「審査」です。
そもそも保険加入には、審査があります。若いうちは病気のリスクも少ないので簡単に審査が通る可能性が高いのですが、40代、50代になり、“いざ保険に加入しよう!”と思った時に病歴等があると、それを理由に加入に断られるケースもあります。もしくは、加入できたとしても、保険料が上がったり、その病気やその病気をした身体の部位に関する病気は保障しない…という条件が付くことが一般的です。
そのため、病歴等のある方は、解約したくても現在の保険に加入しておく…という選択をせざるを得ないという方も多くいるのも事実です。「しばらく解約して、経済的な余裕ができたら、また入ればいいか」と思っている方は、十分に注意が必要です。
5.次に加入する保険を決めている場合、保障が開始するまでの“空白期間”は大丈夫?
“もっと充実した保障内容の商品が見つかったから、解約して新しい商品に加入する”
“もっと保険料が安い商品が見つかったら、解約して新しい商品に加入する”
という場合には、十分に注意する点があります。
それが、新たに加入する保険の“保障が開始されるまでの空白期間”です。
解約は、解約した日付からすぐ解約されますが、新たに契約した場合は、契約したその日からすぐに保障が開始される訳ではありません。
一般的に、生命保険や医療保険・がん保険は、契約の開始が「1日」付けとなります。
仮に1月2日に保険の契約手続きをした場合、保障の開始は、翌月の2月1日からとなります。
もし、1月2日に契約手続きをして、すぐ保障を開始したいという場合には、1月分の保険料も支払わなければいません。保険料を支払う契約者からすれば、ちょっと損した気分になるので、多くの方は、翌月1日からの契約にする方がほとんどです。
そこで、契約の手続きを済ませてからも、保障が開始するまでの「空白期間」が発生するのです。
さらに具体的に説明しましょう。
仮に、今日、生命保険を解約する手続きをすれば、翌月分の保険料を支払う必要はありません。
そのため、今日解約の手続きをするとしましょう。
しかし、今日解約してしまえば、その保障も今日までとなります。
その場合、明日までに新しい保険契約の保障が開始していなければ、明日、万が一のことがあった場合、仮に新たな契約の手続きが済んでいたとしても、新しい保険が保障されることはありません。もちろん、解約してしまった保険で保障されることもありません。
そのため、現在の契約を解約して、別の保険を契約する場合には、必ず新しい保険の保障が開始してから保険を解約する必要があります。また、それに伴い、保険料を1か月だけ重複して支払わなければいけないという可能性があることも覚えておきましょう。
もしくは、“空白期間”のリスクを承知の上で、解約をする必要があるのです。
6.がん保険は、特に“空白期間”を注意する必要あり!
上記で説明した保障の空白期間に特に注意しなければいけいないのが「がん保険」や「がん保障特約」です。
ほとんどの「がん保険」や、医療保険に特約として付加する「がん保障特約」には、90日間(=3か月)の待機期間というものがあります。
「待期期間」とは、シンプルに言うと、保障されない期間のことです。
つまり、がん保険に新たに契約をしても、実質的に保障が開始されるのは、なんと3か月後という訳です。
しかも、その間、3か月分の保険料はしっかりと支払わなければいけないというおまけ付き。
もはや笑うしかないのですが、これが、保険業界で決められた がん保険の仕組みなのです。
“現在加入しているがん保険を解約して、新たにネットで販売されている安いがん保険に加入しよう!”…と考えている方は、3か月間はガマンして2社分の保険料を払うという選択肢も覚悟しなければいけません。それでも、長期的に支払う保険料が安くなれば良し!と考えるようにしましょう。
【参考:なぜ90日の待期期間が設けられているの?】
例えば、身体の一部にしこりを見つけて、がんになっている可能性が高い状態で、病院に行く前にがん保険に加入したとします。そして、その後、病院に行ってがんと診断されれば、がん保険の保障を受けることになりますが、それでは健康な状態で毎月保険料を払っていた方とは、明らかな不公平が発生してしまいます。そういった状況を避けるために、保険業界全体で“90日間の待機期間”というルールを設定しているのです。
最近では、待期期間がないがん保険も販売されているようですが、その分、保障は十分と言えず、結局は、待期期間3か月がある一般的ながん保険に加入するという流れになる傾向があるようです。
保険の解約はいつでもできるけど、その判断は慎重に
今回は、保険解約時のチェックポイントをご紹介しました。
保険は、いつでも自由に解約することができますが、一方で解約することで発生するデメリットもあります。
大切なのは、そのデメリットをしっかり把握した上で、適切に判断をすることです。解約してしまってから、「あの保険営業マン、なんであの時に解約を引き留めてくれなかったの!?」と後悔しても遅いですからね。
そのためには、まずご自身が加入している保障内容をしっかりと把握すること。
そして、解約の際は、事前に保険の専門家に相談して、ご自身が加入している保険を解約することによって、どんなメリット・デメリットが発生するのかを理解しておく必要があります。
また、解約の相談をするのは、保険を契約した営業マンではなく、第三者である保険ショップ等をオススメします。
保険を契約した営業マンに相談をすると、解約のデメリットばかり説明されたり、「それでは、このプランはいかがでしょう?」と新たな契約を勧められる可能性も十分にありますからね。
しつこい勧誘のない保険ショップを選ぶことも大切です。
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