がん保険の「先進医療特約」は必要?月々約200円で最先端の治療を受けられる?

保険は、基本的な保障内容に加え、様々なオプションを付けることで保障内容を充実させることができる仕組になっています。保険では、このオプションのことを「特約」と呼びます。

そして、がん保険や医療保険で、代表的な特約の1つが「先進医療特約」です。

みなさんも今までに1度はCMや広告などでこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
すでに保険に加入している方であれば、この特約に加入しているという方も多くいるでしょう。

しかし、この「先進医療特約」、一体どのような保障を受けられるかすぐに答えることができるでしょうか?

“最先端の治療方法を選択できるオプションでしょ?”

と思った方…間違いです。

まぁ、完全な間違いではないのですが、そのようにシンプルに認識していたら、きっと後でガッカリしてしまうでしょう。

また、保険のプロである保険会社の営業マンやフィナンシャルプランナーの中には、「先進医療特約は必要ない!」と主張する方もいることをご存知ですか?

必要ない保険は、一刻も早く解約したいですよね!

今回は、「先進医療特約」について正しく理解し、保険に加入、もしくは解約すると判断する上での手助けができればと思います。

スポンサードリンク



そもそも先進医療特約って何?

では、先進医療特約とは、一般的にどのような特約のことを指すのでしょうか?
少し難しい内容ですが、この部分だけチョットだけ我慢して読んでいただけると、その後の理解が1発です。

【先進医療特約】
厚生労働大臣が認可する「先進医療」に該当する医療技術により、届け出がなされている医療機関で治療を受けた場合に給付金が支払われる特約。

☞つまり「先進医療」とは、国に指定された治療方法のことで、かつ国が指定した病院でしか受けられない治療でもあります。

では、「先進医療」とは具体的にどのような治療のことを指すのでしょうか?
また、いくらくらいの費用がかかるのでしょうか?

以下は、人気のがん保険を販売しているオリックス生命のHPより抜粋の資料です。

オリックス生命HPより

上記の通り、先進医療の特徴は治療費が高額な点です。

なぜこれだけ高額になるかというと「健康保険が効かない」からです。

普段、病院で支払う金額は、健康保険の提示により3割負担で済みます。
しかし、先進医療は、国が治療法として効果があると認めているものの、その最先端の治療をみんなが受ければ日本の医療費制度が今以上に大変なことになってしまうので全額自己負担としているのです。

しかし、高額な治療費がかかっても、この「先進医療特約」に加入していれば、経済的な負担がなく、健康保険の効かない最先端の治療を受けられますよ!というのがこのオプションの趣旨なのです。

先進医療特約の特徴

以下が、どの保険会社も共通の先進医療特約の特徴です。

①最大2000万円まで保障!
先進医療特約は、たいていどの保険会社も、給付金額は2000万円までを限度にしています。

②保険料は月々たったの100円~200円!
保障される金額は2000万円まで保障してくれるのに、支払う保険料は、月々100円~200円程度で済んでしまうんです。

上記の特徴を見ると、“なんていい保険なんだ!”と思うかもしれません。

しかし、賢い方であれば、そんな都合の良い話はそうそうないことくらい察しが付くかと思います。

先進医療特約は、正しく理解していないと、いざという時に本当にがっかりしてしまう内容なのです。

どんな落とし穴があるか説明しましょう。

先進医療特約の落とし穴

先進医療特約の1番の落とし穴は、“先進医療を受けたくても受けられない”という点です。

正しく言えば、「先進医療を受けられる人もいるけれど、実際に先進医療を受けられる人は全体としては非常に少ない」のです。

だから、保障される金額の限度は大きくても、保険料は安いのです。

では、なぜ先進医療を受けられる人が少ないのでしょうか?

その理由をシンプルにまとめると以下の通りです。

1.医師が先進医療による治療を認めた場合でないと、希望しても受けられない。
先進医療による治療が、必ずしも最善の治療法として有効とは限りません。
一般的ながん治療は、「手術」「放射線治療」「化学治療」
先進医療による治療を行うべきかどうかは、がんの部位やがんの進行度等を考え、医師が総合的に判断します。
がんが見つかったらかと言って、すぐに先進医療を受けて治したい!という希望が叶う可能性は高くありません。

2.そもそも先進医療を受けられる病院が、数少ない。
例えば、上記に紹介した「重粒子線治療」を受けられるのは、日本では3か所しかありません。
その場所は、千葉(重粒子医学センター)と兵庫(兵庫県立粒子線医療センター)と群馬(群馬大学医学部付属病院)です。
地理的にも便利な場所にあるとは言えないのが現状です。
がんと診断された場合、がん治療のために大きな病院を紹介されますが、
その病院が、数少ない先進医療を受けられる病院である可能性は高くありません。

で、先進医療特約は必要か?

先進医療特約の落とし穴を紹介しましたが、それでも加入している方が多いのも事実です。

その理由は、
①保険料が安い
②先進医療がとても有効な治療法だから
という2点です。

自分や大切な家族が重大な病気にかかってしまったことを想像してみましょう。

その時に、日本を代表するような名医や病院に出会うことができ、その先生が進める最先端の医療を受けられるチャンスがあった場合、最高の治療を受けられるとしたら、そのチャンスを逃すでしょうか?

その治療費が1回数百万もかかるような高額な治療法でも、先進医療特約に加入していれば、経済的な負担なくその治療を受けられることができます。

これは間違いのない事実です。
そして、まさに先進医療特約にしかできないことなのです。

だから、その可能性は少ないとしても月100円~200円で済むのであれば、「加入しておいてもいいか」と考える方が多のでしょう。

この費用を安いと考えるか、無駄と考えるか…この点があなたが先進医療特約に加入するべきか判断する大きなポイントです。

 

\がんへの備えが不安な方へ/

※満足度95%!話題の保険相談サービス