吉井怜さん、急性骨髄性白血病の闘病経緯…現在は?
吉井怜さん(36)は、90年代後半、人気グラビアタレントとして活躍し、当時のグラビアアイドルブームを支えた1人です。
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現在は、女優として活動し、2014年~2015年に放送された『仮面ライダードライブ』では、主人公役の竹内涼真くんを支える姉御肌の先輩役としても話題になりました。
同ドラマでは“キレイで明るく快活なキャリアウーマン”…そんな役のイメージがピッタリハマっていた吉井怜さんですが、実は、彼女が10代の頃に、とても壮絶な闘病生活を送っていたことをご存知でしょうか?
今回は、吉井怜さんが、まだアイドル時代の17、18歳という若い年齢で襲われた「急性骨髄性白血病」の闘病経緯について紹介します。
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目次
「急性骨髄性白血病」を患った吉井怜さんのプロフィール
(画像:事務所ホームページより)
●生年月日:1982.3.18
●血液型:O型
●出身地:東京都
●サイズ:T155 B83 W57 H82 S23.5
●趣味:文章を書くこと、ゲーム
●特技:スキューバダイビング(ADV. OPEN WATER DIVERライセンス)
●免許:味噌ソムリエ、TCカラーセラピスト、普通自動車
吉井怜さん、「急性骨髄性白血病」の闘病経緯
●2000年~
・奄美大島でのグラビア・カレンダーの撮影時に40度を超す高熱を発し島の総合病院に運ばれる。
応急処置を受けて熱は一旦下がったが、その後、また高熱を発症したため横浜の総合病院で診断を受け、急性骨髄性白血病を発症していることが判明。即入院となる。
・病名は両親にだけ伝えられ、骨髄不全症から来る再生不良性貧血で3か月の入院が必要と告げられた。
・抗がん剤投与によって白血球値が下がり感染症に対する抵抗力がなくなるため、治療では無菌室に入って入院生活を送った。
・1回目の抗がん剤の投与で髪の毛が抜け落ち爪も黒くなった。
・入院から1か月後に白血病であると知らされた。抗がん剤の投与は4回行われ、退院まで5か月がかかった。
●2001年
・医師は彼女に寛解維持療法と骨髄移植の2つの方法があり、母親とHLA(※1)が一致することから骨髄移植を勧めたが、彼女は芸能界復帰が叶わなくなることや不妊を恐れ、寛解維持療法を選んだ。
・自宅に戻ったがすぐに芸能界には復帰できず、骨髄移植を受ける決意をした。
・7月11日、母親からの骨髄提供により骨髄移植を受けた。移植後は、移植片対宿主病(GVHD)も加わり、10日間ほどの記憶を無くしている。
・血液型がA型からO型に変わった。
※1:ヒト白血球型抗原。白血球の血液型と言えるもの。
※2:ドナー移植後の免疫反応。
人気絶頂の時期に病に襲われた吉井さん…支えてくれたのは?
2002年、吉井さんの闘病生活を記した「神様、何するの…―白血病と闘ったアイドルの手記」は、当時のベストセラーとなりました。
書籍や後のインタビューでは、闘病中の苦悩を明かしています。
「精神的には『閉じ込められている感』というか、みんなと遮断されている感じがつらかったです。それでも高熱が続いていたはじめのうちは解熱剤の副作用で意識が朦朧としていたから、つらいと考える余裕もなかったんですが、その段階が終わり、体調が少し安定すると狭い部屋に閉じ込められていることが耐えがたくなってきました。それと、テレビを見ていて、自分がやるはずだった仕事をほかの子がやっているのを見るのもつらかったですね。私の代わりに出ている子にどうのこうのという気持ちではなく、そこに自分がいられなかったことが悔しかったんです。こうしたことが重なって、無菌室の中では、感情をコントロールできなくなって、いつも苛立っていました」
「イライラした感情を、母にぶつけていました。申し訳ないくらい、あたってしまった。先生やナースの前では、比較的いい子で、(病気のことも)冷静に質問して冷静に聞く……という感じだったんですが、その分、ストレスが全部母のほうに向かっていたんだと思います」
医師から抗がん剤投与による副作用で髪の毛が抜けてしまうことを告げられ絶望感を味わった吉井さん。
人気絶頂のアイドルにとっての脱毛は、余計に彼女の心を苦しめます。
しかし、それを支えてくれた1人が事務所の社長(当時、専務)だったそうです。
「事務所にすごく迷惑をかけたので、このままクビになっても仕方がないと思っていたんですが、それを口にすると専務が『そんなこと心配するな。今は病気を治すことだけ考えろ。待っているから』と言ってくれて、頑張ろうと思えました。これで仕事に早く戻りたいという意欲が湧いてきたから、そのあとの5カ月も頑張り続けることができたんです」
2009年 がんサポート「人気アイドルを襲った「白血病」という運命の悪戯 怖い、逃げたい、戻りたい・・・。現実を受け入れて闘い、復帰へ」より引用
吉井怜さんを襲った「急性骨髄性白血病」とは?
吉井怜さんが闘病した「急性骨髄性白血病」とはどのような病気なのでしょうか?
知識を深めておきましょう。
1.急性骨髄性白血病とは?
血液中には赤血球、白血球、血小板などの血液細胞があり、骨の内部にある骨髄(こつずい)で血液細胞のもととなる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)から増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます。
造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者からは赤血球、血小板、白血球の一種である顆粒球(かりゅうきゅう)や単球に分化し、後者からはBリンパ球、Tリンパ球、NK細胞などのリンパ球に分化します(図1)。
急性骨髄性白血病(AML:Acute Myeloid Leukemia)は、このような血液をつくる過程の未熟な血液細胞である骨髄芽球に何らかの遺伝子異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症します。
(図1)
2.急性骨髄性白血病の症状は?
急性骨髄性白血病は、病状の進行が速いため、急に症状が出現する場合が多く、早期の診断と速やかな治療の開始が重要です。
症状が起こる原因は大きく2つに分類され、骨髄で白血病細胞が増加することによって、造血機能が低下し、正常な血液細胞がつくれないために起こる症状と、白血病細胞が臓器に浸潤(しんじゅん)することで起こる症状があります。
3.急性骨髄性白血病の原因は?
染色体や遺伝子の異常が原因の急性前骨髄球性白血病や、過去に化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療を受けた後に発症する二次性白血病以外は、明らかな原因は不明です。
放射線や化学物質などが要因になるといわれていますが、まだ十分に解明されていません。発症頻度は10万人に2~3人で、発症率は年齢が高くなるにつれて増加します。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス 急性骨髄性白血病 基礎知識
吉井怜さんの現在は?
吉井さんは、不妊になる可能性が高くなるという理由等から骨髄移植を悩んだそうですが、医師から「私たちは過去の経験に基づいてでしか不妊になると言えないので、不妊になる可能性が高くなってしまうとしか言えない」と説得され、骨髄移植に踏み切ったとそうです。
その後、吉井さんは病気を克服し、現在も女優として活躍中です。
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