なぜ生保レディをエロいと感じるのか?その歴史的背景とは?
“生保レディ”
この言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
●職場に出入りする生命保険会社のおばさん?
●厳しいノルマに追われる生命保険営業の新人OL?
はたまた、枕営業やアダルトビデオのタイトル
…そんなゲスいことを想像してしまう男性もいるかもしれません。
…しかし!
生保レディと聞いてエロいことを想像してしまうことは、決して不自然なことではありません!
検索サイトなどで「生保レディ」と入力すると、予測キーワードの上位に「枕しやすい」「枕させる方法」といったフレーズが出てきます。
これは、それだけ世の中の人の多くが”生保レディとそういう関係になりたい”という願望を持っているという証なのです。
また、とある某有名アダルト動画サイトでは、タイトル検索のキーワードに「生保レディ」と入力すると、実に1,600件以上ものタイトルが出てくような状況です。
つまり、生保レディと聞いてエロいことを連想してしまうのは、今日の日本に於いてはとても自然なことと言えるのです!
では、なぜ生命保険を販売する女性をエロいと感じてしまうのでしょうか?
今回は、元保険会社出身の保険ブロガー・うっちーがその理由について解説いたします。
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目次
「生保レディ」誕生の起源は?
まずは生保レディが誕生した背景についてご紹介しましょう。
日本に生保レディが誕生したのは、遡ること約70年前…この国が第二次世界大戦で敗戦国となった頃の話です。
マッカーサー元帥率いるGHQ(連合国軍最高司令官総司令)占領下のもとで行われた国の戦後改革の過程で彼女たちは生まれました。
戦後、女性たちの中には、戦争によって夫を亡くし“未亡人”となってしまった方たちが多くいました。
一家の大黒柱を失い、それでも幼い子供たちを抱えながらなんとか今日を生き抜いていかなければいけない…そんな厳しい時代だったのです。
戦後の厳しい状況は企業にとっても一緒です。
大手保険会社も、敗戦によって「ヒト」も「カネ」もない壊滅的な状況でした。
そこで、日本政府が国策として保険会社の立て直しを整備する中で、保険会社は戦争未亡人のための仕事を確保するために女性の営業職員を大量に採用することになります。
これが「生保レディ」の誕生です。
集められた女性たちは、エリアごとに担当を割り振られ、各家庭に訪問し営業活動を行いました。
そして、この方法が功を奏し、日本はアメリカに次ぐ世界第二位の保険大国にまで成長することになります。
戦後で男性が求人難だったこともあり、生保レディが中心となって築き上げてきた保険の営業スタイルが、日本における保険営業のベースとなって今日に至るのです。
「生保レディ」はなぜ”エロい”のか?
歴史的に見ても、その誕生にはとても奥の深いエピソードを持つ生保レディ。
保険という社会インフラとも言えるほど貢献性の高い仕事をしているにも関わらず、なぜ彼女たちは”エロ”と結び付けられてしまうのでしょうか?
その背景にある理由について解説してきましょう。
1.情に訴えるセールス手法が、保険業界の王道だったから
日本の保険の営業スタイルは、“G/義理・N/人情・P/プレゼント(以下、G・N・P)”が大切だと言われていました。
現在の保険セールスは、商品力やコンサルティング力を武器に販売するスタイルが主流になりつつありますが、ひと昔前までは、「付き合いで一つご検討お願いします!」「これサービスしますから!」「お願いしますよ~」という人の情に訴えかけるようなセールスが王道だったと言われています。
これが、生命保険業界の専門用語でもあるG(義理)・N(人情)・P(プレゼント)です。
なぜG・N・Pが大切かと言うと、そもそも保険商品は、敗戦後の復興プロセスとして、大蔵省の行政指導のもと、どこの保険会社も全く同じ商品・サービスを販売しなければいけないというルールが決められていたので、このようなG(義理)・N(人情)・P(プレゼント)でしか、他社との差別化をすることができなかったのです。
また、G・N・Pを大切にする理由には、生保レディたちがそこまで詳しい商品知識を持っていなかったことも1つの原因にあったようです。
戦後、保険会社は大量に営業職員を採用する一方で、商品知識を学んだり研修のための時間は十分に確保できていなかったそうです。そのため、G・N・Pに頼る営業スタイルは、より顕著になっていたという訳です。
女性の営業マンが情に訴えるようなセールスを求められれば、どうしても女性の武器を使わざるを得ないシーンが増えるのは明白です。
長年に渡って王道だった営業手法が、生保レディ=エロに繋がる大きな理由の1つになっているのです。
2.高収入を狙える職業…生まれる駆け引き!
生命保険のセールスは、上手くいけばかなりの高収入を手にすることができます。
また、法人のお客様をたくさん持つことができれば、年収が1千万や2千万を超えることもあります。
しかし、そんなに簡単に高収入が得られる訳もありません。
当然、ビジネスですから、そこには駆け引きが生まれます。
保険契約は一瞬で答えが出る場合もありますが、長いやりとりの時間をかけて保険の契約に至るケースもたくさんあります。
最近でこそ「コンプライアンス」などが求められる時代ですが、ひと昔前まではスマホもSNSもない時代ですから、彼女たちの武器であるG・N・Pがエスカレートすることもあったかもしれません。「枕営業」がその代表でしょう。
実際に枕営業があったかないかは別として、そんな都市伝説や男性の抱える願望が、アダルトビデオなどのコンテンツとして発展していったのです。
生保レディの現在
現在では、あまり生保レディたちを見かけなくなったと言われています。
コンプライアンス強化により、オフィスのセキュリティも強化され、ひと昔のように生保レディのおばちゃんがお昼休みに声をかけて来る…というような光景は見られなくなりました。
また、現在、保険業界は熾烈なお客さんの奪い合いが起きていて、かつてのGNPを武器とするセールス手法ではその競争に勝てなくなっています。
ライバルとしては、「ほけんの窓口」のような様々な保険会社の商品を取り扱いできる保険ショップや、ライフネット生命のようにインターネットで加入できる保険会社、最近では、銀行や郵便局でも保険に加入することができるようになりました。
年々厳しい状況に追い込まれている生保レディは、今後ますますその数を減らしていくことになるでしょう。
しかし、生保レディ=エロと連想してしまう男性諸君たちには、彼女たちが生まれた歴史的背景や、彼女たちの存在によって戦後の日本は立ち上がってきたという事実も忘れないでいて欲しいものです。
(記事担当:保険ブロガー・うっちー)
保険ブロガー・うっちー
●20代、音楽系芸能事務所に就職。オーディション企画、マネージャー業務を担当。
●20代後半、保険会社に転職し、保険営業、保険代理店サポート、保険支払い部門等を担当。
●現在、保険メディア運営。
参考記事)アダルト作品とリアル営業現場の違いは?
ところで、生保レディのみなさんたちは、現場でどんな保険営業をしているのでしょうか?
本当にアダルトビデオのような保険営業をしている…なんて話もテレビやインターネットで聞いたことあるぞ!という方もいるかもしれません。
以下は、その実態を紹介した記事です。