インシュアテック競争激化!保険業界、あと5年でなくなる仕事

今、保険業界では、テクノロジーの進化によって生命保険・損害保険ともに“大革命”とも呼べる変革が起きています。

IT技術を駆使することで効率性や収益性を高める「Insurtech(インシュアテック)」(※)の台頭によって、革新的な様々なサービスや新たなビジネスモデルが登場しつつあることはご存知の通り。

(※)参考記事:Insurtechとは?各保険会社の取り組みまとめ

未だに堂々と学閥などが存在し古い慣習に縛られがちな保険業界ですが、そんな、おじさん達が築き上げてきたこの業界も、もはやこの大変革の波には勝てないようです。

今回は、あと5年でなくなる保険業界の仕事、そして、これからの保険業界で活躍できる人材について考えてみたいと思います。

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必読!あと5年でなくなる保険業界の仕事

保険業界で働いているみなさん、あと5年でこれらの仕事はなくなります。

世の中の流れを読み、今、自分が本当に行うべき仕事を見定める時期が来ています。

なくなる仕事その①:保険外交員

生保レディやライフプランナーをはじめとする訪問型・対面型の保険営業セールスマンは不要になります。

すでに保険契約はインターネットでも加入が可能ですが、AIの進化によって、その波はさらに加速化します。

「お客様のオーダーに応じたライフプラン設計や保険商品の提案は、対面でないとできない!」と反論したい気持ちも分かりますが、そういった分野こそAIの得意分野なのです。

これまでの顧客データや年齢・収入に合わせ、より精密にリスクや最適な商品をAIが提供してくれるのです。

最近では、インターネットで手軽に加入できる保険も増え、保険独特の面倒な手続きもよりユーザーに寄り添ったサービスへと進化していっています。

また、営業マンを減らすことで人件費や光熱費やオフィスの家賃など固定費を削減することができます。

つまり、保険営業のセールスマンはいなくなってしまうのです。

なくなる仕事その②:決済管理職

保険金の支払査定はAIが行ってくれるので、これまで書類を見て印鑑を押すだけの仕事をしていた管理職は不要になります。

それを予感させる動きとして、2018年7月、東京海上日動は、これまで2、3週間かかってきた支払業務ところを、最短でその日に支払うことを可能にするために、アメリカのインシュアテック自動車保険会社であるMetroMile(メトロマイル社)に出資して業務提携をするという発表のニュースがありました。

保険会社で今まで管理職と呼ばれてきたおじさんたちは、何かトラブルがあった際、お客様にお詫びに行く「謝罪担当者」になるかもしれません。さすがのAIでも、お客様の家に訪問して、クレームを聞き続け、お詫びまですることはできないでしょう。

なくなる仕事その③:カスタマーセンターオペレーター

保険業界に限らず、コールセンター業界では、すでに人件費の安い地方や海外へ拠点を移す企業もあり、少なくともオペレーターは人件費の高い日本人ではなくてもできることが証明されています。

また、最近では、チャットサービスを用意している保険会社や保険代理店が多数あります。

チャットは想像以上にレスポンスが早く、メッセージを入力したら即レスで欲しい回答が返ってきます。

しかも、チャットであれば、質問に対してさらに詳しい情報が掲載したURLリンクを紹介してくれて、一瞬にして電話だけでは聞くことができなかった情報も手に入ります。webで履歴が残るので、後で「言った、言わない」の話になるケースも減るでしょう。

なくなる仕事その④:事故受付センタ―

24時間営業の事故受付センターは、技術の革新によってオペレーターが不要になります。

ただの事故連絡であれば、web入力で完結します。

カスタマーセンター同様、チャットサービスでも事故連絡の対応であれば十分に可能です。

また、自動車レッカーに関しても、最近ではテレマティクスサービスの普及によって、事故場所をwebで自動通知してくれるサービスなども一般化しつつあります。

すでに事故に遭った当事者が、事故場所の住所がよく分からずにレッカー手配依頼に戸惑うシーンは現在でもよくあるようですが、それも全てwebが解決してくれるのです。タクシーの配車をアプリ1つでできるように、わざわざ電話番号を調べて電話をしなくても、webアプリ1つで事故場所を通知してすぐにレッカーがかけつけてくれることも技術的には十分に可能ですよね。

未来型の事故受付センターとは?

最近では、2020年を目途に進められる自動車の「自動運転化」に備え、自動運転の車が事故を起こした場合のサービス提供に備える保険会社も出始めてきました。

損保ジャパンは、2018年9月、専門の研究施設を東京都に開設し、事故時に遠隔で自動車を運転したり、オペレーターが事故対応を行い支援するサービスを提供することを計画していることを発表しています。

事故対応を行う事故受付センタ―は、より専門性の高いオペレーターのみが行う仕事となるのです。

なくなる仕事その⑤:事務員

専門性のない事務仕事は、完全に無くなります。

例えば、スマホ普及やアプリケーションの進化に伴い、書類のweb化が飛躍的に進めることができるため、特に保険業界はその影響を大きく受けます。

というのも、自身で保険契約をしたことがある方は分かると思いますが、保険業界では、様々なやりとりが書類で行われ、その書類の多さは半端ではありません。

また、保険請求の手続きの中には、保険金の支払担当者がすぐに行えばその日に発送できる書類を、わざわざ書類発送センターを経由し1週間かけて送られてくるような場合もあります。保険会社全体としての運営効率化・最適化を図っているのですが、このように、ユーザビリティの面では最悪な一面もあるのが保険業界の現状です。

書類がweb化されれば、書類を送付したり管理したりするための人員やオフィスが不要になります。

紙も不要になりエコ活動に繋がりますので、クリーンなイメージを大切にする保険会社としても、より積極的に進めていきたい施策の1つです。

これからの保険業界をリードする人材とは?

保険とは、そもそも事故や病気に備えるためもの。

しかし、ビッグデータやAI技術の台頭により、近年、保険会社では、事故や病気が発生しないよう未然に働きかけを行う動きが、より一層本格化しています。

例えば…

健康診断の結果によって最大30%保険料が割引される健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」(住友生命)

1日平均8,000歩以上歩くと、達成状況に応じて2年後に健康増進還付金を受け取ることができる医療保険「あるく保険」(東京海上日動あんしん生命)

専用端末で運転のスムーズさを計測し、安全運転の度合いによって保険料がキャッシュバックされるサービスを提供するソニー損保の自動車保険
…が、代表的な保険商品です。

そして、これらの技術開発は、保険会社1社だけでは完結せず、様々な外国企業や日本のITベンチャー企業とアライアンス(=提携)を組むことが大前提にあります。

例えば、前述の「Vitality(バイタリティ)」は、そもそも南アフリカの金融コングロマリット・ディスカバリー社が開発し、すでに17か国で販売されていた商品を輸入したものです。

また、「あるく保険」はNTTドコモとの共同開発によって、ソニー損保の自動車保険はオプテックス社との共同開発によって生まれ商品・サービスです。

IT技術の革新による業務効率化、他業種とのアライアンス活発化、ビッグデータ活用によるリスク機会の減少…これらを踏まえると、保険業界における人口は間違いなく減っていきます。

さらに、今後の保険業界をリードしていく人材は、もしかしたら、今はまだ保険業界にはいない異業種からやってくる人材かもしれません。

今、保険業界で働いている人たちは、勢いを持った異業種の人材たちを指揮できるだけのビジネススキルや人望、仕事に対する野心を持っているでしょうか?

記事担当:うっちー…経歴:音楽系レコード会社に就職。オーディション企画、マネージャー業務を担当。その後、保険会社に転職し、保険営業、保険代理店サポート、保険支払い部門等を担当。現在、ライターとして活動中。)