渥美清さんのがん闘病とは? “寅さん”の笑顔のウラ側で…

渥美清さんは、1996年8月4日、68才の時に転移性肺がんで亡くなりました。

『男はつらいよ』の主人公・“寅さん”として長年に渡って国民に愛された大スターも、がんと闘病してきた1人です。

しかし、これだけ偉大な俳優さんにも関わらず、渥美清さんの闘病の詳細な状況については、世間では知られていません。
いったい、なぜでしょう?

今回は、渥美清さんのがん闘病の経緯について紹介いたします。

【プロフィール】
渥美 清(あつみ きよし、1928年(昭和3年)3月10日 – 1996年(平成8年)8月4日)
出身地:東京府東京市下谷区(現:東京都台東区)
身長173cm
B型
俳優、コメディアン。
代表作:『若い季節 (テレビドラマ)』、『渥美清の泣いてたまるか』 、『男はつらいよ』、『拝啓天皇陛下様』、『八つ墓村』、『幸福の黄色いハンカチ』『キネマの天地』等。
没後、国民栄誉賞を受賞。

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渥美清さん、がん闘病の経緯

●1991年 肝臓がんが見つかる。
●1994年 がんが、肺に転移
●1996年7月 体調を崩し、31日、順天堂大学附属病院で肺がんの手術を行う。
●1996年8月 4日、順天堂大学附属病院にてこの世を去る。68歳没。生前の本人の意向により、世間に公表されたのは8月7日。

渥美さんは、亡くなるまで病気のことを公表していませんでした。
渥美さんは、世間に愛されている“寅さん”のイメージを壊さないように他の仕事は引き受けなかったり、日頃からプライベートなことを世間に明かさないなど、徹底した役者魂を持っていた方でした。

しかし、それでも最後の作品となる48作目に近づくにつれて、渥美さんの優れない病状は、映画のスクリーンからも伝わるほどになってゆきます。

そして、監督の山田洋二さんの配慮により、42作品目『男はつらいよ ぼくの伯父さん』の頃からは、物語の展開の中心が、渥美さん演じる寅さんから甥の満男(吉岡秀隆)へと変化していきます。

満男の青春ストーリーは、それはそれで味わい深いものを感じるのですが、第1話からの愛くるしく、怒りっぽく、涙もろい寅さんの姿を知っていると、やはり寂しさを感じずにはいられません。

実は、病気がちだった渥美さん

渥美さんは、小学生の頃から病弱で、小児腎臓炎、小児関節炎、膀胱カタル等の様々な病気にかかり、1954年(渥美さん、24才頃)には、肺結核によって右肺を切除し、2年間の療養生活も送っていたそうです。

これらの病気と肝臓がんに関連性があったのかは、今となっては知る由もありません。

しかし、現代に生きる私たちが、今でも“寅さん”から笑いや涙を与えてもらえるのは、きっと、プライベートを明かさなかった渥美清さんの徹底した役者魂があったからでしょう。

“寅さん”の笑顔の裏側で…20年以上もがん闘病してきた渥美さん

2010年に発売された『風天 渥美清のうた』(著:森英介)中で、渥美さんのがん闘病が、実は、壮絶なものであったことが明かされます。

本の中では、インタビューを受けた渥美さんの長男・田所健太郎さんが、実は、渥美さんが1974年頃に、最初のがんの告知を受けていたことを明かしました。

父ががんという病気であることを知ったのは僕が幼稚園のころでした。いつも『オレはもう死ぬんだからお母さんの言うことをよく聞いてしっかりやれ』という叱られ方をよくした

91年の宣告は(もともと持っていた原発の)肝臓がんが肺に転移したときの話だと思います。

『風天 渥美清のうた』(著:森英介)より長男・田所健太郎さんのインタビューより

※渥美清さんの名前は芸名で、本名は「田所康雄(たどころ やすお)」さんです。

つまり、渥美さんは、亡くなるまでの20年以上もの間、医師に宣告されながらも、ずっと公表せずにがんと闘ってきたのです。一体、どんな思いで病気と闘いながら役者を続けてきたのでしょうか?

ちなみに1974年の『男はつらいよ』作品と言えば、以下の作品です。
まさか大きな病気を患っているなんて、思いにもよらない“舌好調”な寅さんを見ることができます。

●第13作 『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』(1974年8月公開)マドンナ:吉永小百合

第9作『男はつらいよ柴又慕情』で出会ったヒロイン・歌子(吉永小百合)との再会ストーリー。小説家のお父さんとのコミュニケーションで悩んでいた歌子さんでしたが、そのお父さんが歌子さんに懺悔するシーンは感動でした。

 

●第14作 『男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974年12月公開)マドンナ:十朱幸代

寅さんが赤ん坊を連れてとらやに帰ってきたシーンは名シーンですね。
3代目の“おいちゃん”演じる下條正巳さんが登場するのも、この作品からでした。

さて、いったい寅さんは、今頃、どこで旅をしているのでしょうか?

そんな気持ちを抱かせ続けてくれる偉大な役者・渥美清さん。

2018年は、渥美さんの生誕90年の節目を迎えます。