“がん家系”と呼ばれた中村獅童さん…闘病した「肺腺がん」って何?

歌舞伎俳優として活躍している中村獅童さんは、2017年5月、肺腺がんであることを公表しました。

“奇跡的な早期発見”によりがんを克服し、現在は、舞台にも復帰して活躍されています。

今回は、中村獅童さんの闘病から、がんについて学びたいと思います。

中村獅童さんプロフィール

●昭和47年9月14日生まれ。東京都出身。
●日本大学芸術学部演劇学科出身
●星座: 乙女座
●血液型: O型
●身長: 177cm
●体重: 63kg
●足のサイズ: 26.5cm

祖父は昭和の名女形と謳われた三世中村時蔵。
父はその三男・三喜雄。叔父に映画俳優・初代萬屋錦之介、中村嘉葎雄。
従兄は、中村歌六、中村時蔵、中村又五郎、中村錦之助。
8歳で歌舞伎座にて初舞台を踏み、二代目中村獅童襲名。

公式HPより引用

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中村獅童さんの肺腺がん闘病の経緯

●2017年5月18日 毎年、定期的に受けている人間ドックで初期の肺腺がんが発見。5月末、手術。
●2017年6月6日 退院。6月・7月の舞台は休演。
●2017年11月 舞台公演で復帰。

獅童さんは、担当医からも“奇跡的”と言われるほどの早期発見だったそうです。
「すぐに手術をすれば治る」と言われ手術を行い、翌月6日にはもう退院をしています。

肺がんは、早期の場合、初期症状がほぼないと言われています。
病状が進行してくると、せき・たん・発熱・呼吸困難・胸痛などの呼吸器症状があらわれるようですが、これらは必ずしもがん特有の症状ではないため、自覚のないままに進行してしまうことが多いようです。

獅童さん、早期発見ができて本当に良かったですね。

「肺腺がん」って何?肺がんとは違うの?

では、獅童さんが闘病した「肺腺がん」とはどのような病気だったのでしょうか?

肺腺がんは、肺がんの1種です。
肺がんには、大きく分けて4種類ありますが、その中の1つが肺腺がんです。

肺腺がんは、肺がんの中でも最も発生頻度が高く、肺がん全体のうち、男性では40%以上、女性では70%以上を占め、
罹患率(りかんりつ…がんになる確率)は、40代後半から高齢になるにつれて高くなっていきます。

また、以下のような特徴もあります。

●初期症状が出にくい。
●化学療法や放射線療法が効きにくい。
●喫煙との因果関係は弱い。

参考:国立がん研究センター 肺がん

中村獅童さんはどうやって肺腺がんを克服したの?治療法は?

獅童さんは、舞台復帰の際のインタビューで、「カテーテル治療」を行っていたことを明かしています。

「カテーテルがつらかったです。男性の方はわかると思うんですけど、管を通すってね…これ放送できますか?」

(2017年11月 舞台復帰の挨拶で)

では、この「カテーテル治療」とは、どのようなものでしょうか?

参考)カテーテル治療とは?

腫瘍が成長するためには、血液から酸素や栄養をもらう必要があります。
腫瘍に血液を送っている血管から治療をするのがカテーテル治療です。カテーテルは血管に挿入する細いチューブで、体中のほぼあらゆる部位の腫瘍に 血液を届けている血管まで挿入することができます。
ここから抗がん剤を流せば、腫瘍以外の部位に影響を与えず 腫瘍のみに治療を行うことができますし、この血管を詰めてしまえば、腫瘍が必要としている血流を止めてしまうこともできます。
体を切らずに、表面に近い血管からカテーテルを挿入するだけで可能な治療ですから、体への負担も少ない治療です。

引用:国立がん研究センター中央病院

「がん家系」って本当にがんになる確率が高いの?

中村獅童さんの親類には、がんで亡くなる方が多く、中村獅童さんがご自身の病気を公表した際、“がん家系”が原因か?といった憶測の情報がニュースに流れたこともありました。

というのも、
中村獅童さんのお父さんである初代・中村獅童さん(胃がん)や、
叔父さんにあたる萬屋錦之介さん(咽頭がん)、親戚の十八代目・中村勘三郎さん(食道がん)など、
獅童さん(二代目)の親類の大歌舞伎役者たちが、がん闘病をしてきた事実があるからです。

では、“がん家系”って、本当に根拠があるものなのでしょうか?

専門家の見解では、遺伝によるがんになる確率は5%程度と言われています。

そもそも日本人の死因の1位はがんですし、
平均寿命の80才くらいまで生きていれば、がんは2人に1人ががんになると言われています。
果たして、そのがんが、本当に家族の遺伝によって発生したものなのかを断定することは難しいようです。

(参考:国立がん研究センター東病院 家族性腫瘍外来について)

つまり、中村獅童さんの肺腺がんの原因が「遺伝」によるものだったかは、分からないということですね。

いずれにせよ、中村獅童さんは早期発見により肺腺がんを克服することができました。
不確かな情報に踊らされるのではなく、獅童さんのように定期的な検診を受け、専門家のアドバイスによる適切な処置を行っていくことが大切です。

ちなみに、“がん家系”という理由で保険加入を断られることはありません。

 

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