医療保険とがん保険…違いは?がんに備えるならどっち?

「がんに備えるなら、がん保険じゃないとダメなの?」
「医療保険だと、がんに備えられないの?」
「医療保険もがん保険も両方は入らなくちゃいけないの?」

…このように保険選びって、本っ当に複雑で分かりづらいですよね…。

保険ランキングが掲載された雑誌記事や保険商品のホームページを見ると様々な情報が載っているので、結局どの保険に入れば良いのか分からない!…という経験をした方も多いはずです。

今回は、がん保険と医療保険との違いや、医療保険でがんに備える際の注意点について解説します!

がん保険と医療保険の違い

まずは、がん保険と医療保険の違いについて説明します。

がん保険

「がん保険」は、「がん(癌)」のみを保障対象とする保険です。

そのため、「がん」以外の病気は対象外です。

保険会社によっても保障内容は様々ですが、がん保険の基本的な保障内容は、主に以下の4つ。

1.「がん」と診断された時に給付される一時金「診断給付金」
2.「がん」の治療で入院した時に給付される「入院給付金」
3.「がん」で手術をした時に給付される「手術給付金」
4.「がん」の治療で通院した時に給付される「通院給付金」

ちなみに、がん保険で最も重視するべきは、「診断給付金」です。
「診断給付金」の目安は100万円で、治療費や交通費や諸雑費など、その使い道は自由なので、がん保険の1番の魅力とも言える保障内容です。

医療保険

病気やケガで、入院や手術をした場合に保障される保険です。

1.入院したら1日5千円
2.入院中に手術を1回したら、入院日額の10倍(つまり5千円×10=5万円)

医療保険は、病気でもケガでも保障されますが、あくまで「入院」することで保障が受けられる保険です。
「通院」しただけでは対象にならないので注意が必要です。

医療保険では、がん治療費の全てをカバーできない!

以下は、がんにかかる平均的な治療費の一覧です。

がんの種類 平均入院日数 治療費(3割)
胃がん 20.2日 約25万円
結腸がん 19.9日 約28万円
直腸がん 16.8日 約23万円
気管支がん
および肺がん
11.5日 約13万円
乳がん 12.2日 約18万円

(社団法人全日本病院協会公開データより)

“がんになっても意外に費用がかからないんだなぁ”と思う方もいるかもしれませんが、上記の金額は、健康保険が適用となった場合の金額です。

そう、健康保険が適用にならない場合は、さらに高額になるケースもあります。

また、そもそもがん闘病にかかる費用は、治療費だけではありません。

治療費以外にも、差額ベット代や交通費や健康のためにかかる費用もあります。
そのため、一般的にがんにかかると50万円前後~100万円のお金がかかると言われています。さらに、がんの転移や再発等があればその限りではありません。

がん保険は、前述のとおり、がんと診断された時に保障されるまとまったお金がもらえう診断給付金があります。
診断給付金は、100万円が1つの目安ですので、これを治療費や生活費の一部に充てることは十分可能です。

 

一方、医療保険はどうでしょうか?

前述の通り、医療保険は、基本的に「入院」「手術」がベースとなります。もらえるのは、入院した日数と手術の有無や回数です。

仮に、Aさんが前立腺がんになり、1回の手術と20日間の入院をした場合を比較してみましょう。

【がん保険】100万円+入院5千円×20日+手術15万円=135万円
【医療保険】入院5千円×20日+手術10倍=15万円

なんと、がん保険と医療保険では、受け取れる金額に100万円以上もの差が出てしまうのです!
払っている保険料に対する見返りが医療保険では低すぎますし、十分な保障と言えないですよね。

しかも、現代のがん治療では、「入院」による治療日数が減ってきています。
いつの日か見たドラマにように、現実では、がんになったら即「入院」という訳ではありません。

つまり「通院」が保障されない医療保険ではがん治療に向いていないのです。
そのため「通院」も保障される「がん保険」が必要なのです。

医療保険に「がん保障特約」を付けるデメリット

民間の医療保険は、特に治療費が高額になりがちながんに備えてオプションを付けることができる商品も多く存在しています。

いわゆる「がん保障特約」と呼ばれるもので、その内容は各社様々です。一般的には、この特約を付けることで、がんになった時に「診断給付金」「通院給付金」等を受け取ることができます。

つまり、医療保険にがん保障特約を付ければ、医療保険1つで病気や怪我にも備えることができるのです!

医療保険やがん保険など複数の保険商品に入るよりも、医療保険にだけ加入すれば、保険料や商品内容についての理解など“管理がしやすい”というメリットは大きいと思います。

しかし、その一方でデメリットもあります。

医療保険+がん保障特約で、病気にもケガにも十分に備えたい…と考えている方は、以下の点を予め把握した上で加入することをオススメします。

1.保険料が高くなる

当たり前ですが、オプションを付ければ医療保険の保険料は高くなります。

一方、がん保険であれば、(がん保障の特約を付けた)医療保険と比べると保険料はそこまで高くありません。

そのため、「まずはがんに備えたい」「特にがんが心配」という方は、まずがん保険に加入する事をおすすめします。もちろんがん保険では、がん以外の病気リスクには備えられないというデメリットもありますが、そこは貯蓄で対応すると割り切ってしまうという考え方も最近ではメジャーです。

2.がんになった場合、保障される内容が、がん保険に比べて限定される場合がある

がん保険は、がんに特化した保険なのでその保障内容もきめ細やかで充実しています。

しかし、医療保険にがん保障特約を付ける場合、がん保険単体に比べて保障の範囲が限定される商品も多くあります。具体的には、診断給付金が給付される回数が1回のみとか、上皮内がんは対象外になる…等といった制約です。

がん保険単体と比較した時に、保障内容が劣る可能性がある点は否めません。

3.あくまでオプション

特約は、あくまでオプションであり、その基本となる商品を契約する必要があります。
そのため基本保障である医療保険を解約してしまうと、同時に特約の保障もなくなってしまうのです。

保険商品は、その時代の医療事情や経済事情に合わせ、様々な新商品が販売されますし保険料も変わってきます。魅力的な医療保険が発売され、見直しを行い医療保険を解約すれば、がんの保障もなくなってしまい、その都度がんに対する保障も考え直さなければいけないのですが、「医療保険」も「がん保険」も、保険料は加入する年齢とともに高額になりますし、年齢とともに健康状態による審査も厳しくなります。

これらを理由に、いざ医療保険の見直しをしようと思っても、解約できず古い医療保険に契約し続けることになってしまう可能性もあります。

医療保険とがん保険を切り分けて考えることで、保険の見直しが行いやすいというメリットもあるのです。

 

上記の理由から「医療保険」にがん保障特約を付けることは、必ずしもお得ではないのです。